保湿をしっかりやると、テカリがむしろ抑えられます。
男性の肌が女性よりテカりやすいのは、生理学的な事実です。男性ホルモン(テストステロン)の影響で皮脂腺が活発化し、皮脂分泌量は女性の約2〜3倍に達するとされています。特に額・鼻・あごを結ぶ「Tゾーン」は皮脂腺の密度が高く、午後になるとテカリが目立ちやすい部位です。
ただし、テカリの原因は「皮脂が多いから」だけではありません。意外ですね。
男性に非常に多いのが「インナードライ」という状態です。肌の表面は皮脂でベタついているのに、肌の内部の水分量が慢性的に不足しているケースです。肌は水分が失われると、それ以上の蒸発を防ごうとして皮脂を過剰に分泌し始めます。つまり「テカっているから脂っぽい肌」という単純な話ではなく、「内側が乾燥しているからテカっている」というケースが少なくないのです。
さらに、男性の肌悩みとして「テカリ・皮脂過多」は全体の41.3%が抱えており(2026年3月・300名調査)、「毛穴の開き・黒ずみ」の43.7%に次ぐ第2位です。これは医療従事者も例外ではありません。特に長時間のマスク着用や、屋内外の温度差が激しい環境下での勤務は、肌のバリア機能を損なう要因になります。
テカリの真の原因を見極めることが、対策の第一歩です。
| テカリのタイプ | 主な原因 | よくある症状 |
|---|---|---|
| オイリー肌型 | 男性ホルモンによる皮脂過剰 | 洗顔後2〜3時間でベタつく |
| インナードライ型 | 肌内部の水分不足+皮脂過剰分泌 | 頬はカサつくがTゾーンはテカる |
| ケア過多型 | 洗いすぎによるバリア機能低下 | 洗顔直後から肌がつっぱりテカる |
インナードライ型とケア過多型は、間違ったケアが原因です。まずは自分のテカリがどのタイプかを確認してみましょう。
参考:男性の肌悩みと皮脂分泌メカニズム、美容皮膚科医のコメント掲載
テカリが気になる男性ほど、洗顔の回数を増やしたり、力強くゴシゴシ洗ったりしがちです。これは正しいようで、実は逆効果です。
肌には「皮脂膜」という天然のバリア層があり、外部刺激や水分蒸発から肌を守っています。洗顔回数が1日3回以上になると、この皮脂膜まで必要以上に洗い流されてしまいます。すると肌はバリアを再構築しようとして、より多くの皮脂を分泌し始めます。つまり「洗えば洗うほどテカる」という悪循環に陥るのです。
厳しいところですね。
正しい洗顔の頻度は、朝晩の1日2回が基本です。朝は皮脂量が比較的少ないため、洗顔料を使わずぬるま湯(32〜36℃程度)で洗うだけにする方法も有効です。夜は洗顔料をしっかり泡立てて使い、泡を肌の上で転がすように優しく洗います。
洗い方のポイントを整理しておきます。
洗顔料の選び方も重要です。男性向けの洗顔料は洗浄力が強いものが多い傾向があります。テカリが気になる場合でも、アミノ酸系や弱酸性の成分をベースにした、マイルドな洗浄力のものを選ぶことで、肌バリアへのダメージを最小限に抑えられます。
1日2回の洗顔が原則です。
参考:洗顔回数と皮脂バリア機能の関係について詳しく解説
肌のテカリの原因とは?NG行動やテカリの防止方法を徹底解説 |DISM公式コラム
「テカっているのに保湿なんて必要ない」と思っていませんか。これは男性に非常に多い誤解です。
脂性肌の男性ほど保湿が重要です。前述のとおり、肌内部が乾燥すると皮脂が過剰分泌されてテカリが悪化します。洗顔後に化粧水だけつけて終わり、あるいは何もケアしない——という習慣だと、肌表面の水分がすぐに蒸発し、インナードライが進行してしまいます。
保湿の基本ステップは、化粧水で水分を補い、乳液で蓋をするという流れです。乳液は「余計な油分を加えるもの」と思われがちですが、実際の役割は「化粧水で与えた水分の蒸発を防ぐこと」です。この2ステップをセットで行うことで、肌内部の水分量が安定し、皮脂の過剰分泌が落ち着いてきます。
これは使えそうです。
テカリが気になる脂性肌タイプには、「オイルフリー(油分不使用)」や「ノンコメドジェニック処方」と記載された乳液やジェルを選ぶと、ベタつき感を抑えながらしっかり保湿できます。化粧水はアルコール濃度が高すぎないものを選ぶことも大切です。
保湿ケアの実践ポイントをまとめます。
「スキンケアに月5,000円以上かける男性が3年前の18.7%から39.3%と2.1倍に増加した」という調査結果(2026年3月・300名対象)が示すとおり、正しいケアへの関心は急速に高まっています。まず「洗顔+化粧水+乳液」の3ステップを毎日継続することが基本です。
参考:皮膚科医が解説する脂性肌の正しい保湿と製品の選び方
皮膚科医が教える脂性肌の正しい保湿と製品の選び方 |東京皮膚科・形成外科
スキンケアだけでは日中のテカリが完全には防げないこともあります。そこで取り入れたいのがフェイスパウダーです。
フェイスパウダーはもともと女性向けの印象が強いアイテムですが、近年はメンズ専用設計のものも充実しています。男性の約3人に1人が肌のテカリを悩みとして抱えているというデータもある中、パウダーによる即効性の高い対策は、特に「職場での清潔感を保ちたい」というニーズに合っています。
これは使えそうです。
メンズのテカリ対策向けパウダーを選ぶ際は、以下のポイントを意識します。
使い方のコツも押さえておきましょう。パウダーは付けすぎると粉っぽく不自然な仕上がりになります。パフやブラシに取ったあと、手の甲や容器のふたで一度余分をはたき落としてから、Tゾーン(おでこ・鼻・あご)を中心に優しく押さえるように重ねると自然です。
参考:メンズ向けフェイスパウダーの選び方と使い方の詳細
メンズフェイスパウダーおすすめ11選。テカリ防止や毛穴カバーに【使い方も解説】|ESQUIRE JAPAN
また、フェイスパウダーを使う前提として、前述の洗顔・保湿のスキンケアが整っていることが重要です。パウダーは「皮脂の過剰分泌を根本から止める」ものではなく、「出てきた皮脂を吸着して見た目を整える」ものです。土台となるスキンケアと組み合わせることで、その効果が最大化されます。
スキンケア+パウダーの組み合わせが基本です。
医療従事者の方は、一般的なビジネスパーソンとは異なる環境でスキンケアを考える必要があります。夜勤・長時間勤務・長時間のマスク着用という条件が重なると、テカリの悪化要因が通常の2倍以上にも積み重なります。
まず夜勤による睡眠不足の影響です。睡眠不足はホルモンバランスの乱れを招き、特にストレスホルモン(コルチゾール)の上昇が男性ホルモンと連動して皮脂分泌をさらに促進します。睡眠が不規則になると、肌のターンオーバー(約28日周期)も乱れ、古い角質が蓄積して毛穴詰まりやテカリを悪化させます。痛いですね。
次に長時間のマスク着用による影響です。マスク内は温度・湿度が高い密閉環境になり、皮脂と汗が混ざって肌バリアが崩れやすくなります。その一方で、マスクを外した瞬間に水分が急激に蒸発するため、肌は乾燥を感知して皮脂を過剰分泌します。これがマスク周辺のテカリの典型的なメカニズムです。
このような環境下での具体的な対策を挙げます。
さらに、あぶらとり紙の使い方にも注意が必要です。昼休みなどにテカリが気になってあぶらとり紙を何枚も重ねて使うと、皮脂の取りすぎで乾燥→皮脂過剰分泌というサイクルが強まります。あぶらとり紙の使用は1日1〜2回、1回に1枚を目安とし、軽く押さえるだけに留めましょう。
隙間時間にパウダーを重ねるだけで違います。
長時間勤務の環境でも、「正しい洗顔2回+保湿+パウダー」という基本ルーティンを崩さず続けることが、テカリ対策の最短ルートです。特に夜勤明けは疲れで洗顔・保湿をさぼりがちになりますが、ここを怠ると翌日以降のテカリが著しく悪化します。夜勤明けのスキンケアは必須です。
参考:長時間マスク着用時の肌ケアについて看護師・医療従事者向けに解説
医療従事者を悩ませる、マスクによる肌荒れについて |アンファミエ