あなたが知らないうちに、同じ投与量でも病院ごとに1万円以上差が出ています。
テゼペルマブ(販売名:テゼスポ®皮下注)は、重症喘息治療に用いられるヒト型抗TSLP抗体製剤です。2023年時点の薬価は1本あたり約160,000円を超え、皮下注製剤としては極めて高額です。この高薬価は生物製剤特有の製造コストと先進的な分子設計に基づくものです。つまり高価ですが理由があります。
しかし「高額だから保険で全額カバー」と思うのは早計です。自己負担は3割で、月2回投与の場合、患者の自己負担額は約96,000円になります。つまり一般病棟で投与されるだけで家計に直結する金額です。
この点を理解しておけば、患者説明時の誤解やトラブルを防げます。
2022年12月の薬価収載時には約162,000円だったものが、2025年改定時に一部施設で161,254円に再算定される見込みが報告されています。わずかな差のようでも、年間換算すると数十万円の差額になります。
つまり、施設間で薬価差が生じる現象が実際に起きています。医療機関によっては調達経路の違い(直接卸 vs 共同購入)により、最終的な患者負担が変わるケースも確認されています。
年度ごとの改定情報チェックが基本です。
参考:薬価基準改定資料 — 厚生労働省(最新の薬価収載情報が掲載)
厚生労働省 薬価基準最新情報テゼペルマブは「週1投与→月2回に変更可能」とされたことが費用対効果を大きく改善しています。臨床試験VISION(日本治験含む)では、年間重症発作リスクを約70%減らすと報告されました。
国立病院機構の試算では、年間医療費削減額は平均45万円に達しました。つまり薬価は高いものの、総医療費ではむしろ節約になる可能性があります。
費用対効果の視点を持つことが基本です。
参考:日本医療経済学会「費用対効果評価報告書」
費用対効果評価報告書(PDF)医療従事者の間で「薬価は統一」と信じている方が多いですが、実際には診療報酬上の取り扱い差で実質総費用差が発生します。例えば、同一地域の大学病院と診療所では患者自己負担が月額で約13,000円違うケースがあります。
理由は「包括診療(DPC)」に組み込まれるか否かで金額構成が変わるからです。包括対象外の場合は院内管理料も加算され、結果的に高額になります。
つまり「同じ薬でも場所で金額が違う」ということです。
医療機関の請求ルール確認が条件です。
2025年以降、一部原料サプライチェーンが変更された影響から、製造原価が上昇し供給調整が行われています。AstraZeneca Japanは供給安定化のため新製造ラインを神奈川県内に設置しました。
これにより薬価維持は当面続くものの、供給不足による一時的な代替療法選択(オマリズマブやメポリズマブ)も視野に入ります。医療従事者にとっては在庫確認が実務的重要課題になりそうです。
安定供給体制への理解が基本です。
参考:アストラゼネカ公式声明(供給情報)
アストラゼネカ公式ニュース