特定原材料に準ずるもの最新動向と医療現場での患者指導

特定原材料に準ずるものの最新品目はご存知ですか?2026年4月にカシューナッツが義務化、ピスタチオが推奨品目に追加されました。医療従事者が患者指導で押さえるべき変更点とは何でしょうか?

特定原材料に準ずるもの最新情報と医療従事者が知るべき患者指導のポイント

推奨表示だからと安心していると、患者がアナフィラキシーを起こすリスクがあります。


この記事の3つのポイント
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2026年4月から品目数が変わった

カシューナッツが特定原材料(義務8品目)に昇格し、ピスタチオが特定原材料に準ずるもの(推奨20品目)に新規追加。合計29品目体制へ移行しました。

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推奨表示は「表示されない場合がある」

特定原材料に準ずるものは義務ではないため、食品ラベルに記載がなくても法的に問題はありません。患者が「書いていないから安全」と誤解するリスクがあります。

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ピスタチオとカシューナッツは強い交差反応がある

両者は同じウルシ科の植物であり、アレルゲンの構造が類似しています。カシューナッツアレルギーの患者にはピスタチオも指導対象に含める必要があります。


特定原材料に準ずるもの最新一覧:2026年4月改正後の全品目


2026年4月1日、食品表示基準の改正が施行され、アレルギー表示制度が大きく変わりました。カシューナッツが「特定原材料に準ずるもの(推奨表示)」から「特定原材料(義務表示)」へと昇格し、同時にピスタチオが新たに「特定原材料に準ずるもの」に追加されました。つまり現在の特定原材料は9品目、特定原材料に準ずるものは20品目、合計29品目という新体制になっています。


品目数だけ見ると以前と変わらないように見えますが、内訳が変わっています。






















区分 品目数 主な品目 表示義務
特定原材料 9品目 卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生・くるみ・<strong>カシューナッツ(2026年4月追加) ✅ 義務
特定原材料に準ずるもの 20品目 アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン・ピスタチオ(2026年4月追加) ⚠️ 推奨(任意)


医療現場で患者に説明する際は、このテーブルをそのまま活用できます。特に「まつたけ」が2024年3月に推奨品目から削除されていること、マカダミアナッツが同時期に追加されていることも、過去に学習した情報が古くなっている可能性があるため要注意です。品目は3年ごとの全国実態調査を踏まえて見直されます。これが基本です。


消費者庁が概ね3年ごとに実施する「即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査」の直近(令和6年度)では、即時型症例6,033例のうち、特定原材料8品目が74.9%(4,521例)、特定原材料に準ずるものの20品目を含めると全体の92.9%(5,607例)を占めています。この数字は、準ずるものを含めた指導がいかに重要かを示しています。


参考:消費者庁の食物アレルギー表示に関する最新のアドバイザー会議資料・品目一覧
消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」(最新の品目一覧・事務連絡を確認できます)


特定原材料に準ずるもの最新改正の背景:カシューナッツ義務化とピスタチオ追加の理由

なぜこのタイミングで制度が改正されたのかを理解しておくと、今後の品目変化を先読みする力がつきます。


令和6年度の全国実態調査で、木の実類(ナッツ類)が即時型アレルギーの原因食物として全体の24.6%を占め、鶏卵を抑えて第2位に急浮上しました。前回(令和3年度調査)の13.5%からわずか3年で倍近くに増えたことは、医療現場にとって看過できない変化です。意外ですね。


木の実類の内訳を見ると、くるみが最多(916例・木の実類中61.7%)で、次がカシューナッツ(279例・同18.8%)、3位がマカダミアナッツ(69例・同4.6%)です。カシューナッツは全症例のうち4.6%を占め、この増加が「一過性ではない」と消費者庁が判断したことで義務化に至りました。


ピスタチオについては、全国実態調査の即時型症例数で令和3年度に20位・令和6年度に14位と順位が上昇しており、症例数は前回調査比2.2倍に増加しています。さらに50件のアナフィラキシーショック症例が確認されていることも深刻なポイントです。また、ピスタチオはカシューナッツと同じウルシ科の植物であり、交差反応性が非常に強いという科学的根拠も追加の根拠になっています。


カシューナッツ義務化には経過措置期間が設定されています。2026年4月1日に施行されましたが、2028年3月31日までは旧表示の食品も流通できます。つまり、現時点で「カシューナッツ」の表示がない食品でも、旧ラベルのまま販売されている可能性があるということです。この2年間の経過措置期間中が特に注意が必要です。








































品目 変更内容 施行日 経過措置期限
カシューナッツ 推奨表示 → 義務表示 2026年4月1日 2028年3月31日まで
ピスタチオ 対象外 → 推奨表示 2026年4月1日 同上
マカダミアナッツ 対象外 → 推奨表示 2024年3月28日 猶予終了済
まつたけ 推奨表示 → 削除 2024年3月28日
くるみ 推奨表示 → 義務表示 2023年3月9日 2025年3月31日まで(猶予終了済)


参考:アレルギー表示制度改正の背景と経緯を詳しく解説
BMLフード・サイエンス「アレルギー表示制度の改正 ~カシューナッツ表示義務化とピスタチオ追加の方針について~」


特定原材料に準ずるもの最新の「推奨表示」が患者を守れない現実的リスク

「推奨表示だから、書いてあれば安心」という考え方は、医療従事者として一歩踏み込んで修正する必要があります。推奨表示には法的義務がないため、食品ラベルに記載がなくても製造者側には違反になりません。患者が「書いていないから含まれていない」と判断すると、重大な誤食事故につながります。


特定原材料に準ずるもの20品目(推奨)は、表示されない場合があります。これが原則です。


環境再生保全機構が発行する「よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック」でも、この点を明確に指摘しています。「特定原材料に準ずるもの20品目の表示は義務ではありませんので表示されないこともあります」と記載されており、食品メーカーが表示しなくても法律上は問題がないことが示されています。


では医療従事者としてどのような患者指導が求められるでしょうか?


推奨品目にアレルギーがある患者には、以下の3点を必ず伝えておく必要があります。



  • 📌 ラベルにない=含まれていないではない。「記載がない」は「不使用」の証明にならない。

  • 📌 外食・中食(テイクアウトや惣菜)については、加工食品のアレルギー表示義務の対象外であり、さらに情報が不明瞭な場合がある。

  • 📌 不明な場合は、食品メーカーや飲食店に直接確認する習慣をつけてもらう。


「確認する」という行動が患者を守ります。


加えて、ピスタチオのように見た目で判断しにくいケースも存在します。消費者庁の調査によると、ピスタチオ使用加工食品のうち、ペースト状・粉状・添加物に含まれるなど「目視では確認が困難なもの」が全体の約47.4%を占めています。アレルギー患者本人が食品を手に取っても、ピスタチオが含まれているかどうか分からないケースが半数近くあります。厳しいところですね。


参考:食物アレルギー診療の手引き(日本アレルギー学会監修・医療従事者向け)
「食物アレルギーの診療の手引き2023」(日本アレルギー学会・消費者庁との連携情報が収録されています)


特定原材料に準ずるもの最新情報:ピスタチオとカシューナッツの交差反応と患者への説明方法

医療現場での患者指導で、特に重要度が増しているのがナッツ類の交差反応です。カシューナッツとピスタチオは同じウルシ科(Anacardiaceae)の植物に属しており、アレルゲンとなるタンパク質の構造が非常に似ています。交差反応性が原因です。


アレルギー専門医でもある小柳貴人医師も、「カシューナッツアレルギーの方はピスタチオでも症状が出てしまう可能性が非常に高い」と明言しています。つまり、カシューナッツアレルギーと診断されている患者には、ピスタチオも同様に除去または注意すべき食品として指導する必要があります。


では診療の現場ではどのように説明すればよいでしょうか?


患者が「カシューナッツだけ食べなければ大丈夫ですか?」と聞いてきた場合、「ピスタチオも同じ仲間のナッツで、カシューナッツと非常に似たアレルゲンを持っています。まずは両方を避けてください。主治医の指示のもと食物経口負荷試験で確認することをおすすめします」という流れが現実的です。


ピスタチオは現時点では推奨表示であるため、食品ラベルに記載がない場合もあります。カシューナッツが義務化されたからといって、患者が「カシューナッツだけ確認すればよい」と誤解しないよう注意してください。両方を確認する必要があります。


また、これはくるみとペカン(ピーカンナッツ)においても同様の交差反応性が指摘されています。消費者庁の資料でも「医療現場において、くるみと一体的な指導が行われている」という実態が確認されており、ナッツ類全般を「同系統の食品としてまとめて指導する」視点が今後はさらに重要になります。これも条件の一つです。
























主なアレルギー原因ナッツ 交差反応が疑われる食品 科・属
カシューナッツ ピスタチオ、マンゴー ウルシ科
くるみ ペカン(ピーカン) クルミ科
アーモンド 桃、さくらんぼ、スモモ バラ科


特定原材料に準ずるもの最新改正を踏まえた医療従事者の患者指導チェックリスト

これまでの情報を整理し、患者指導に落とし込める形でまとめます。2026年4月以降の改正内容を踏まえると、アレルギー患者を診る医療従事者が確認すべきポイントは、大きく「品目の最新化」「推奨表示の限界の説明」「交差反応の共有」の3つに集約されます。


まず品目の最新化についてです。患者が持参する食品除去リストや過去の説明資料が古い場合、そこに「カシューナッツが義務8品目に入った」「ピスタチオが新たに推奨品目になった」という情報が欠落している可能性があります。特に、以前のリストにはまつたけが含まれているかもしれませんが、2024年3月28日にまつたけは推奨品目から削除されています。情報の更新が条件です。


次に、推奨表示の限界についてです。医療従事者が「推奨品目は食品ラベルで確認できる」という前提で患者指導をしてしまうと、ラベル未記載の食品を患者が誤食する可能性があります。「推奨品目にアレルギーがある場合は、ラベルの確認だけでは不十分なケースがある」と明示的に伝えることが重要です。


最後に、下記のチェックリストを外来での患者指導に活用してください。



  • ✅ 患者の除去リストに最新品目(ピスタチオ・マカダミアナッツ)が反映されているか確認する

  • ✅ カシューナッツアレルギーの患者にはピスタチオの交差反応を説明する

  • ✅ 「ラベルにない=不使用ではない」という認識を患者と共有する

  • ✅ 外食・中食では義務表示の対象外であることを説明する

  • ✅ 経過措置期間(2028年3月31日まで)中は旧表示の食品が流通していることを伝える

  • ✅ 不明な食品については、製造元に直接確認する行動習慣を促す

  • ✅ アナフィラキシーに備えてエピペン®の携帯・使用方法を確認する


「旧表示の食品が市場に混在している」という現実は、特に患者が伝えておくべき盲点です。カシューナッツが義務化されたからといって、2028年3月31日までは旧ラベルの製品が合法的に流通できます。患者が「2026年4月以降の製品なら安心」と思い込んでいると、見落としが起きるリスクがあります。


アレルギー患者の適切な食品選択を支援するツールとして、消費者庁・厚生労働省・日本アレルギー学会が共同で運営する「アレルギーポータル」(https://allergyportal.jp/)が医療従事者・患者双方向けに情報を提供しています。患者に紹介するウェブサイトとして活用できます。これは使えそうです。


参考:日本アレルギー学会が医療従事者向けに作成した最新手引き
日本アレルギー学会「アレルギーの手引き2025 ~患者さんに接する医療従事者のために~」(最新の診療情報・食品表示制度の説明が含まれています)






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