フィルターを外さずに掃除機で吸うだけでは、PM2.5の除去率が約40%まで低下します。
24時間換気システムに使われるフィルターには、丸型・四角型・薄型パネル型などいくつかの形状があります。そのなかで「四角いフィルター」は、天井埋め込み型や壁掛け型の給気口・排気口に多く使われているタイプです。
四角いフィルターは大きく分けて以下の2種類があります。
見分けるポイントは、換気口の周囲にスリットや切り欠きがあるかどうかです。スリットがあればパネル差し込み型の可能性が高く、四隅にツメや穴が見えればカバー一体型です。
機種の確認が先決です。
型番はカバー裏面や本体側面のシールに記載されています。型番がわかれば、メーカー公式サイトの「取扱説明書ダウンロード」ページから正確な外し方を確認できます。手元に型番がない場合は、カバーを取り外した後の本体フレームにも記載があることが多いので確認してみましょう。
医療施設では施設管理担当者が把握しているケースが多いですが、病棟や外来の換気口は看護師や清掃スタッフが目にする機会も多いため、種類の違いを知っておくだけでトラブルを防げます。
四角いフィルターを安全に外すための手順は、大きく「電源オフ」「カバー取り外し」「フィルター取り出し」の3段階に分かれます。手順を守るだけで破損リスクを大幅に下げられます。
① 換気システムの電源を切る
フィルターを外す前に、必ず換気扇の電源をオフにしてください。運転中に作業すると、ホコリが室内に舞い散り、特に免疫力の低い患者が近くにいる環境では感染リスクにつながります。スイッチがわからない場合は、ブレーカーで当該換気回路を落とす方法もあります。
② カバーのツメ・ラッチを確認する
四角いカバーには通常2〜4箇所のツメ(ラッチ)があります。無理に引っ張るとツメが折れます。
ツメの位置は機種によって異なりますが、多くは「カバー短辺の中央付近」か「四隅」にあります。マイナスドライバーや指でツメを内側に押し込みながら手前に引くと、パキッという音とともに外れます。
③ フィルターをスライドまたは引き出す
カバーが外れると、内側にフィルターがセットされています。パネル差し込み型の場合は左右いずれかにスライドさせると抜けます。カバー一体型の場合はフィルターがカバーに貼り付いているか、別途枠に収まっているかのどちらかです。
フィルターを傾けすぎるとホコリが落ちるので注意です。
袋を下に当てながら取り出すか、屋外(廊下・換気スペース)で作業すると室内へのホコリ拡散を防げます。医療現場では、フィルター交換用の使い捨て手袋とマスクの着用が衛生管理上のルールになっていることが多いです。必ず施設のルールを確認してから作業を進めましょう。
フィルターを取り出したら、次は「洗って再利用するか」「交換するか」を判断します。この判断を誤ると、換気性能が回復しないまま運用が続いてしまいます。
再利用できるフィルターの条件
水洗い可能な素材(ポリエステル・ナイロン製の粗目フィルター)であれば、ぬるま湯と中性洗剤で押し洗いして乾燥後に再利用が可能です。ただし、以下の状態は交換が必要です。
交換が条件です。
特にHEPA(高性能微粒子フィルター)タイプは水洗い厳禁で、洗うと繊維構造が崩れてPM2.5や花粉の捕集率が激減します。医療・介護施設で使われている換気システムには、このHEPAフィルターが組み込まれているケースが増えており、「いつものように洗った」ことで性能がゼロになるリスクがあります。
フィルターの素材確認が必須です。
交換用フィルターはメーカー純正品が推奨されます。互換品(サードパーティ製)は価格が純正の半額程度になることがありますが、捕集効率の規格が異なる場合があるため、施設管理基準を満たすかどうかを確認してから導入する必要があります。交換後は必ず交換日をラベルに記入し、次回点検のタイミングを管理台帳に記録しましょう。
フィルターを外すより「元に戻す」作業のほうがミスが起きやすいです。
取り付けの向きを間違えると、フィルターが機能しないまま運転される状態が続きます。特に四角型フィルターは一見どちらの向きでも入ってしまうため、意図せず逆向きにセットしてしまうことがあります。
正しい向きの確認ポイント
取り付けミスの代表的なサインは「換気口から異音がする」「換気量が明らかに減った」「フィルターが数週間でひどく汚れる(逆方向に汚れが蓄積)」などです。これらが起きた場合は、一度取り外して向きを確認し直すと解決するケースがほとんどです。
向き間違いは意外と多いです。
カバーを閉じる前に、フィルターが枠の溝にしっかり収まっているか指で軽く押して確認するのが確実です。カバーを閉じてからツメが正常に嵌合していることも手で押して確かめてください。カバーが浮いている状態で換気を稼働させると、すき間から未フィルタリングの空気が流入します。
24時間換気のフィルター管理は、日常清掃や医療機器点検と比べると優先順位が下がりやすい作業です。しかし、空気感染対策が重要な医療環境では、フィルターの劣化が直接的な感染リスクにつながります。
見落とされやすいリスクのポイント
フィルターが目詰まりすると換気量が設計値の50%以下になることがあります。これは東京ドームの空間に例えると、本来3分で入れ替わるはずの空気が6分以上かかることを意味します。空気の滞留が長くなると、飛沫核の濃度が室内で上がり、空気感染性疾患(結核・麻疹・水痘など)のリスクが高まります。
換気記録は感染対策の証拠になります。
施設によってはJCI認証やISO14001の環境管理基準でフィルター交換記録の保管が求められており、記録がない場合は監査指摘事項になるケースもあります。フィルター交換・清掃の際は「日付・担当者名・フィルターの状態(洗浄か交換か)・次回点検予定日」の4項目を記録する習慣をつけると、監査対応や引き継ぎがスムーズになります。
記録フォーマットが条件です。
管理の効率化には、施設設備管理ソフトや院内のグループウェア(kintoneやGoogleスプレッドシートなど)に換気設備の点検スケジュールを登録しておくのが実用的です。アラート機能を使えば「前回から3ヶ月経過」などの通知を自動で受け取れるため、見落としを防げます。月次の環境ラウンドにフィルター目視確認を組み込む施設も増えており、多職種で空気環境を管理する体制が感染管理認定看護師(CNIC)からも推奨されています。
空気環境の管理は目に見えにくい分、記録と定期確認の仕組みが重要です。正しい外し方を習得したうえで、継続的な管理サイクルを院内に定着させることが、長期的な感染リスク低減につながります。

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