エイジングケア成分と薬機法の正しい表現と注意点

エイジングケア成分を扱う際、薬機法の表現規制を正しく理解できていますか?医療従事者が知っておくべき成分別の適正表現ルールと違反リスクを徹底解説します。

エイジングケア成分と薬機法:医療従事者が押さえるべき表現規制の全体像

「ヒアルロン酸配合」と説明するだけで薬機法違反になるケースがあります。


この記事の3つのポイント
⚖️
薬機法とエイジングケア成分の関係

エイジングケア成分の表現は「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」で許容範囲が大きく異なり、成分名だけでなく訴求表現が違反リスクを左右します。

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成分別の適正表現ルール

レチノール・ナイアシンアミド・ビタミンCなど主要成分ごとに、薬機法上で使える言葉・使えない言葉のラインを整理します。

⚠️
違反時のリスクと医療従事者の責任

違反が発覚した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される可能性があり、医療従事者も例外ではありません。


エイジングケア成分における薬機法の基本的な考え方


薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の製造・販売・広告に関して厳格なルールを定めています。エイジングケアに関連する成分を扱う際、医療従事者であっても表現を誤ると法的リスクを負うことになります。


まず押さえておきたいのは、製品カテゴリによって許容される表現範囲が大きく異なる点です。化粧品であれば「肌を整える」「潤いを与える」といった表現は許容されますが、「しわを改善する」「美白効果がある」という表現は原則として医薬部外品または医薬品にしか使えません。これが基本です。


「エイジングケア」という言葉自体は、2011年に薬機法(旧薬事法)の通知が改定され、化粧品でも「年齢に応じたケア」という意味で使用が認められています。ただしその解釈は厳密で、「老化を防ぐ」「アンチエイジング効果がある」という表現と同一視できる文脈で使った場合、化粧品の効能範囲を逸脱するとみなされます。


さらに重要なのは、成分名の記載方法です。「○○成分配合」と書くだけで問題になるケースがあります。配合成分がその製品カテゴリで承認されていない有効成分として認識される場合、未承認医薬品の宣伝とみなされるリスクがあるのです。つまり成分名の使い方だけで違反が成立し得るということですね。


参考リンク(薬機法における化粧品・医薬部外品の広告規制の基本ルール)。
厚生労働省:医薬品等の広告規制について


レチノール・ナイアシンアミドの薬機法上の表現ルール

エイジングケア成分の中でも特に表現規制が複雑なのが、レチノールとナイアシンアミドです。この2成分は医療現場でもスキンケア指導に頻繁に登場しますが、カテゴリと文脈によって許容表現が大きく変わります。


レチノール(ビタミンA)は、化粧品成分としては「肌にうるおいを与える」「肌状態を整える」程度の表現しか認められていません。一方、「しわを改善する」「ターンオーバーを促進する」という表現は医薬品的効能に該当します。厚生労働省は2008年に「レチノールを有効成分とするしわ改善薬」の効能効果を医薬部外品として初めて承認しており、この承認された製品以外でしわ改善を訴求することは違反になります。


ナイアシンアミドは2021年時点で美白有効成分として医薬部外品への配合が承認されており、承認された製品であれば「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」という表現が使えます。これは使えそうです。しかし承認製品でないにもかかわらず「シミを防ぐ」と表現すると、即座に薬機法66条(誇大広告の禁止)違反に問われる可能性があります。


医療従事者が患者へのスキンケア指導でこれらの成分を「効果がある」と説明する際も、使用するツール(パンフレット・ウェブサイト・SNS等)が「広告」に該当すると判断されれば、個人であっても薬機法の規制対象になります。説明資料の作成には注意が必要です。


参考リンク(医薬部外品の効能効果に関する承認基準の詳細)。
PMDA(医薬品医療機器総合機構):医薬部外品に関する情報


ビタミンC・ヒアルロン酸・コラーゲンの適正表現と違反ラインの見極め方

ビタミンC(L-アスコルビン酸)、ヒアルロン酸、コラーゲンは、エイジングケア関連製品で最も頻出する成分です。一般的な認知度が高い分、医療従事者でも表現の境界線が曖昧になりやすい成分でもあります。


ビタミンCは、その誘導体(アスコルビン酸グルコシド等)が美白有効成分として医薬部外品に承認されています。承認製品では「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」と表現できます。しかし「コラーゲン生成を促進する」「抗酸化作用でアンチエイジング」という表現は、現時点で化粧品・医薬部外品の承認効能には含まれていないため、違反リスクがあります。


ヒアルロン酸については、化粧品成分として「保湿」目的の配合と表現は認められています。ただし「関節の動きを改善する」「体内からヒアルロン酸が補充される」という訴求は、経口サプリメントや注射製剤の文脈であっても、科学的根拠のない効能訴求として問題になります。「塗っても真皮まで届く」という表現も同様です。成分名の記載だけでは問題ありませんが、作用の説明が伴うと違反ラインを越えます。


コラーゲンも基本的な考え方は同じです。「コラーゲン配合」という記載自体は問題ありませんが、「コラーゲンが肌に浸透してハリを与える」という表現は、化粧品の効能範囲を超えていると判断されます。つまり配合事実と効能訴求を明確に分けることが条件です。


違反ラインを見極めるための実践的な判断基準として、「その表現を見た一般消費者が、医薬品的な効果(疾患の治癒・予防・身体機能の改善)を期待するか」を自問することが有効です。消費者が医薬品的効果を期待すると考えられる表現は、カテゴリを問わず薬機法上のリスクがあると考えておくと安全です。


参考リンク(化粧品の効能の範囲についての公式見解)。
厚生労働省:化粧品の効能の範囲(通知)


SNS・患者向け資料での発信が「広告」とみなされる条件と医療従事者の注意点

近年、薬機法違反として摘発されるケースで急増しているのが、SNSやブログ、院内配布パンフレットでの表現です。医療従事者が発信するコンテンツだからといって、規制の例外にはなりません。厳しいところですね。


薬機法上、「広告」に該当するための要件は3つです。①顧客を誘引する意図があること、②特定の医薬品等を認知できること、③一般人が認知できる方法で広告されていること、の3点すべてを満たすと広告とみなされます(厚生労働省「医薬品等適正広告基準」)。


医師や薬剤師がSNSで「このクリームのレチノール濃度が高くてアンチエイジングに最適」と投稿した場合、上記3要件を満たすとして行政指導の対象になり得ます。2022年以降、インフルエンサーや医師のSNS投稿に対して薬機法に基づく措置命令が出た事例が複数報告されています。注意が必要です。


また、クリニックの院内掲示やパンフレットも「広告」に該当します。自院で処方・販売するスキンケア製品について「しわが改善される」「美白効果がある」と記載した資料を患者に配布することも、薬機法66条違反のリスクがあります。院内資料だからといって規制の外にはないということですね。


対策として有効なのは、消費者庁・厚生労働省が公表している「医薬品等適正広告基準」を定期的に確認し、院内資料の表現を定期的にレビューすることです。医療機関向けには薬事法務を専門とする行政書士・弁護士のチェックサービスも存在します。年1回程度の定期確認で多くのリスクを回避できます。


参考リンク(医薬品等適正広告基準の全文)。
厚生労働省:医薬品等適正広告基準


医療従事者だからこそ活かせる薬機法の「適正表現」活用と差別化戦略

ここまでリスクの話が中心でしたが、薬機法の正しい理解は医療従事者にとって大きな強みにもなります。これは使えそうです。


薬機法に準拠した適正表現を理解している医療従事者は、エイジングケア成分についての患者説明や、クリニックでの自費診療・スキンケア製品販売において、信頼性の高いコミュニケーションが取れます。患者が「この先生は科学的根拠に基づいて説明してくれる」と感じることは、長期的な信頼関係の構築につながります。


さらに、薬機法を正しく理解することで「言えること・言えないこと」のラインが明確になり、かえって説明の質が上がるというケースも多いです。たとえば「このナイアシンアミド配合の医薬部外品は、厚生労働省が美白効果を承認しているので、しみ予防に一定の根拠があります」という表現は、薬機法上適切であるだけでなく、根拠のある説明として患者にとって非常に納得感が高いものです。


成分の有効性を訴求したい場合は、承認された効能効果の範囲内で正確に伝えることが原則です。それに加えて、海外の臨床論文や学会発表データを「参考情報」として添えることは、広告規制の対象外となる「学術情報の提供」として許容される場合があります。ただしこの場合も、特定製品の宣伝目的とならないよう文脈に注意が必要です。


医療従事者向けの薬機法・薬事規制に特化した研修サービスや、成分表現の適法性チェックツールも近年整備されてきています。こうしたリソースを活用することで、現場での適切な情報発信のクオリティを継続的に高めることができます。適正表現の習慣化が、結果として患者満足度と医療機関の信頼性向上に直結するということですね。


参考リンク(薬事法務・広告審査に関する専門家情報)。
くすりの適正使用協議会(RAD-AR):医薬品情報の適正使用に関する資料・ガイドライン






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