「飲み薬と同じ甘草量を、顔だけで毎日浴びている計算になりますよ。」
グリチルリチン酸ジカリウムは、甘草由来の抗炎症成分として医薬部外品の化粧水に広く配合されています。 医療用医薬品では肝疾患やアレルギー疾患向け注射剤・内服薬として、1日量100mg前後が使用されることが多く、添付文書では低カリウム血症や偽アルドステロン症が代表的な副作用として記載されています。 一方で、化粧水などの外用用途では、グリチルリチン酸2Kとして0.05〜0.3%程度の配合が一般的で、1回に使用する量を2〜3mLとすると、顔全体に塗布される実際の成分量は1〜6mg程度にとどまります。 経皮吸収率や局所滞留を考えると、全身的な暴露量は内服薬と比較して桁違いに低く、日常的な使用で偽アルドステロン症が問題となる可能性は極めて限定的と考えられます。 つまり内服と外用では「同じ成分だが、リスクが生じる前提の母数が違う」ということですね。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6972&dataType=1&pageNo=1)
ただし、医療従事者が患者背景まで含めて評価する場合、まったくノーリスクと説明するのは適切ではありません。 高齢者、利尿薬・ステロイド・甘草含有漢方薬を併用している患者では、わずかな外用分がトリガーとなる可能性はゼロではなく、少なくとも問診で「甘草由来製剤の重複」という観点を持つ価値があります。 実臨床では「肌が荒れたからグリチルリチン酸配合の化粧水と乳液とクリームをライン使いしている」という患者が、1日あたり20mL近く使用しているケースも珍しくありません。 こうしたヘビーユーザーでは、1日あたりの塗布量が10mgを超えることもあり、顔面局所での長期炎症制御の一方、角層バリアへの影響や慢性的な軽度浮腫を自覚しにくい形で抱えている可能性があります。 結論は内服と外用の「リスクの桁」が違うだけで、医療者としてゼロ評価はしないということです。 cosme(https://www.cosme.net/chieco/question/303315/detail)
グリチルリチン酸を含有する医薬品について、厚生労働省通知では「アルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症の患者には投与しないこと」と明記され、慎重投与の対象として高齢者、心疾患、腎障害、浮腫を有する患者が列挙されています。 さらに、甘草を含有する製剤との併用では偽アルドステロン症があらわれやすくなるため、血清カリウム値などのモニタリングを十分に行うよう注意喚起されています。 外来でよく見るパターンとしては、①柴苓湯や小青竜湯など甘草含有漢方薬を1日7.5g前後処方され、②市販の風邪薬や胃薬を自己判断で追加し、③肌荒れ対策にグリチルリチン酸配合化粧水を併用している患者です。 それぞれは添付文書上の用量内でも、合算すると1日あたり2〜3倍量のグリチルリチン酸相当量になっているケースが報告されています。 つまり重複使用に注意すれば大丈夫です。 carenet(https://www.carenet.com/drugs/category/liver-disease-agents/3919100F1150)
医療従事者自身も、当直明けのむくみ対策に市販の葛根湯エキス顆粒や総合感冒薬を常用しつつ、ニキビ対策でグリチルリチン酸配合化粧水を日常的に使用していることがあり、ある調査では医療従事者の約2〜3割が甘草含有製剤の重複を自覚していなかったという報告もあります。 浮腫や血圧上昇、筋力低下、こむら返りといった症状は、夜勤疲れや運動不足のせいと自己解釈されやすく、受診が遅れる一因になります。 外来で患者に肌相談を受けた際は、「漢方薬やサプリ、市販薬に甘草やグリチルリチン酸が入っていないか」「長期連用になっていないか」を1分以内で確認するだけでも、将来的な有害事象を減らせます。 患者教育としては、「甘草」「グリチルリチン酸」「グリチルリチン酸ジカリウム」の3語をお薬手帳にメモしておいてもらい、新しい薬や化粧品を買うときに成分表示を確認するよう促すだけで十分です。 グリチルリチン酸の名前だけ覚えておけばOKです。 vet.cygni.co(https://vet.cygni.co.jp/include_html/drug_pdf/taisya/GR-1065-04.pdf)
配合量の面では、0.05〜0.3%の範囲に収まる製品が多く、医薬部外品として認められた範囲内であることから、長期使用の安全性は一定程度担保されています。 ただし、ベースの溶媒や保湿成分によって刺激感が大きく異なり、アルコール濃度の高い製品では、むしろ一時的なしみ感や乾燥悪化を招くことがあります。 医療従事者としては、患者の肌タイプ別に「高保湿・低刺激タイプ」「さっぱりタイプ」「美白重視タイプ」など、2〜3カテゴリに代表製品をリストアップしておくと、外来で具体的な商品名を挙げて説明しやすくなります。 例えば、敏感肌・乾燥肌には高精製ワセリンや複数のヒアルロン酸を組み合わせた処方、ニキビが気になる脂性肌にはノンコメドジェニックテスト済みのさっぱりタイプを勧めるなど、場面に応じた選択肢があると安心です。 結論は成分だけでなく「処方全体」を見ることです。 my-best(https://my-best.com/31254)
グリチルリチン酸2Kの安全性については、日本を含む各国で長年の使用実績があり、適切な配合量での重篤な副作用報告はほとんどないとされます。 一方で、植物エキス全般に共通するように、ごく一部の患者では接触皮膚炎やアレルギー反応が起こり得るため、新規製品を勧める際には「初めの数日は頬の一部など10円玉大の範囲だけで試す」というパッチテスト的な運用を案内しておくと無難です。 これは医療機関でのピーリングやレーザー前後のスキンケア指導でも役立つ鉄板のフレーズであり、スタッフ教育の場で共有しておく価値があります。 どういうことでしょうか? kobe-kishida-clinic(https://kobe-kishida-clinic.com/faga/gentle-ingredients/gk2-women/dipotassium-glycyrrhizate-safety-sensitive-skin-hair-loss/)
医療従事者は、アルコール手指消毒、頻回の手洗い、手袋装着によって、一般の人よりも皮膚バリアが傷みやすい職業群です。 コロナ禍以降の調査では、看護師や介護職の約4〜6割が何らかの手荒れ・接触皮膚炎の症状を経験しており、顔面でもマスク摩擦や乾燥に伴う肌荒れが増加したと報告されています。 こうした「職業皮膚炎」を抱えたまま、勤務前後にグリチルリチン酸配合化粧水を使用する医療従事者は少なくありませんが、局所の炎症を抑える一方で、バリア回復には十分でない場合があります。 抗炎症成分だけで押さえ込むスキンケアは、痛みやかゆみの自覚症状を和らげる一方で、保湿不足や摩擦という原因が放置されやすいのが難点です。 つまり原因対策とセットで考えるのが原則です。 mutenka-okada(https://www.mutenka-okada.com/column/glycyrrhizinate2k.php)
実務的には、①勤務中のアルコール手指消毒回数を把握し、②夜間にグリチルリチン酸配合化粧水+高保湿クリームでしっかり保湿し、③週1〜2回は成分の異なる保湿剤に切り替える、というサイクルを提案すると、接触感作のリスクを抑えつつ、症状コントロールがしやすくなります。 顔面に関しても、マスク接触部位(鼻梁・頬・耳周囲)に絞ってグリチルリチン酸配合化粧水を重ね塗りする一方、非摩擦部位はシンプルな保湿剤のみとする「ゾーニング」アプローチが有効です。 特に、ゴーグルやN95マスクを長時間装着する場面では、装着前後にバリア機能を補う処方(セラミドやスクワランなど)を組み合わせることで、摩擦による紅斑や小水疱の発生を減らせる可能性があります。 追加の対策として、病棟のスタッフルームに「成分ラベルを読める人」が1人いるだけでも、過度な成分重複や刺激性成分の偏りを防ぎやすくなります。 これは使えそうです。 yamada-denkiweb(https://www.yamada-denkiweb.com/media/52348/)
外来でグリチルリチン酸配合化粧水について相談されたとき、忙しい診療の中で確認しておきたいのは「誰が、どこに、どのくらい、何と一緒に使っているか」の4点です。 具体的には、①患者の年齢と基礎疾患(高血圧、心・腎疾患、浮腫、妊娠の有無)、②使用部位(顔全体、Tゾーンのみ、身体も含むか)、③使用量と頻度(1回あたりの押し方の回数、1本を何日で使い切るか)、④併用薬・サプリ・漢方薬・市販薬に甘草やグリチルリチン酸が含まれていないか、を数問で確認します。 例えば、170mLのボトルを1カ月で使い切る場合、1日あたり約5.5mLで、先述の配合量から逆算すると1〜10mg程度のグリチルリチン酸ジカリウムを顔に塗布している計算になります。 一方、2カ月以上もつという患者では、そもそも塗布量が少なすぎて、期待する肌荒れ改善効果が得られていない可能性があります。 量と頻度のバランスが条件です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6972&dataType=1&pageNo=1)
最後に、患者向けの一言メッセージとして、「グリチルリチン酸配合化粧水は、炎症を『鎮める係』であって、『肌を根本的に作り直す係』ではない」というフレーズを共有しておくと、過度な期待や単剤依存を防ぎやすくなります。 そのうえで、洗顔のしすぎや摩擦、マスクのサイズ不適合など、物理的な刺激要因を一緒に見直していくことが、中長期的な肌トラブル軽減につながります。 医療者としては、薬だけでなく「生活背景とスキンケアの全体像」をセットで診る姿勢を持つことが、結果的に再診やクレームを減らし、外来の効率にも貢献します。 結論は生活とスキンケアをワンセットで考えることです。 mutenka-okada(https://www.mutenka-okada.com/column/glycyrrhizinate2k.php)
このパートでは、グリチルリチン酸配合化粧水の作用と安全性、医薬品との違い、職業皮膚炎を抱える医療従事者自身の使い方、そして外来での患者指導ポイントを整理しました。 あとは、実際の診療現場やご自身の勤務環境で、どのような問診や指導フレーズが使いやすいかを微調整しながら、無理なく続けられる形に落とし込んでいくことが大切です。 kobe-kishida-clinic(https://kobe-kishida-clinic.com/faga/gentle-ingredients/gk2-women/dipotassium-glycyrrhizate-safety-sensitive-skin-hair-loss/)
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