グリーンティーエキスを「飲む」だけでは、肌への効果は「塗る」より弱いと臨床研究で示されています。
グリーンティーエキスに含まれるEGCG(エピガロカテキンガレート)は、緑茶カテキンの中でも特に強力な抗酸化物質です。 その抗酸化力はビタミンEの2〜3倍とも言われており、肌細胞を酸化ストレスから守る中心的な役割を担います。yamamotoyama.co+1
EGCGが細胞表面の受容体「67LR(67kDaラミニン受容体)」に結合することで、抗炎症・抗アレルギー・脂質代謝改善といった多面的な作用が引き起こされることが、花王の研究で明らかにされています。 つまり、EGCGの作用は単純な活性酸素の除去にとどまらず、細胞の自己防衛機能そのものを底上げするということです。tokai-clinic+1
これは使えそうです。
紫外線(UVB)照射後の皮膚に4%グリーンティーエキス含有ローションを局所塗布した試験では、照射量100 mJ/m²の条件下でも、ケラチノサイトにおけるUV誘発p53発現が有意に抑制されたことが報告されています。 さらに、アポトーシスに至ったケラチノサイト(サンバーン細胞)の数も、コントロール群と比較して有意に減少しました。 UV誘発の細胞死を抑える、というのが基本です。
| カテキン種別 | 抗酸化力の目安 | 主な作用 |
|---|---|---|
| エピガロカテキンガレート(EGCG) | ビタミンEの2〜3倍 | 抗酸化・抗炎症・光老化予防・ターンオーバー促進 |
| エピカテキンガレート(ECG) | やや強い | 抗酸化・抗菌 |
| エピガロカテキン(EGC) | 中程度 | 抗炎症・抗アレルギー |
| エピカテキン(EC) | 標準 | 抗酸化・抗菌 |
グリーンティーエキスには保湿成分のアミノ酸やビタミンCが含まれており、角層にうるおいを与え乾燥を防ぐ働きが期待されています。 重要なのが皮脂コントロール効果で、健康なタイ人ボランティア20名を対象にした28日間の臨床試験において、2〜7%濃度のグリーンティーエキス配合コスメを局所塗布した結果、有意な抗脂漏・皮脂抑制効果が確認されました。bihadanavi+1
しかも効果は濃度と使用期間に比例しており、14日間より28日間の治療の方が有意に高い改善結果を示しています。 継続使用が条件です。
これは脂性肌やニキビ肌に悩む患者へのアドバイスにも直接応用できる知見です。皮脂分泌が過剰な患者に対し、グリーンティーエキス配合の洗顔料や化粧水を1ヶ月以上継続して使用するよう勧めることで、皮脂量の客観的な減少が期待できます。なお、パッチテストでは全員に皮膚刺激性が認められなかった点も、安全性の根拠として重要です。
グリーンティーエキスのニキビへの効果は、飲む形よりも塗る形の方がエビデンスが強固です。 信頼性の高いメタアナリシスにより、グリーンティーエキスの局所塗布はニキビ治療に有効であることが示されています。 抗炎症作用は経口摂取でも期待されますが、局所適用の方が皮膚への直接作用という観点で優れています。japanesehealth+1
EGCGを含むゲルを使用した第II相臨床試験では、4週間の塗布後に45%のボランティアで肌のキメと外観の改善が確認されました。 「45%改善」という数字の意味は、約2人に1人の肌に明確な変化が現れるということです。
具体的には、グリーンティーエキスは皮膚のMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)の活性を抑制し、紫外線によるコラーゲン分解を防ぐ作用が報告されています。 炎症サイトカインのカスケードを下流で制御するため、アクネ菌による炎症反応の悪化を抑える効果も期待されています。 これはニキビ治療の補助アプローチとして価値があります。
光老化対策の視点から見ると、グリーンティーエキスはEGCGが真皮のMMP発現を抑制することで、コラーゲン分解を防ぎシワ・たるみの進行を遅らせます。 さらに最新の研究では、EGCGがメラニン生成に関与する酵素を阻害し、シミ・そばかすの予防に貢献することも分かっています。
参考)https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282679461626496
肌の「糖化(グリケーション)」への作用も注目です。
参考)https://yamamotoyama.co.jp/blogs/column/reading243
糖化によって生成されるAGEs(終末糖化産物)は、肌に蓄積されるとくすみやシワの原因になります。 緑茶カテキンにはこのAGEs生成を抑制する働きが確認されており、酸化ストレスとは別の経路でも肌の若さを守ることができます。 つまり、抗酸化と抗糖化のダブルの経路でエイジングケアができるということですね。
また、アテニアの研究では、EGCGが表皮角化細胞の垂直分裂タンパク質(PKCζ)のリン酸化を促進し、ターンオーバーの方向性を整えることが確認されています。 乱れたターンオーバーは色素沈着の悪化にもつながるため、この作用はシミ対策の観点でも重要です。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000189.000010341.html
EGCGによる表皮細胞垂直分裂促進の発見に関するアテニア社のプレスリリース(PR TIMES) ─ ターンオーバー正常化とシミ予防の関連セクションの参考
グリーンティーエキスは安全性の高い成分ですが、使い方と摂取量には注意が必要です。 特にサプリメントとして高濃度のカテキンを摂取した場合、一部の人に肝機能障害が生じたという海外の報告があります。 これはスキンケア目的の外用製品とは話が異なりますが、患者から「緑茶サプリを飲んでいる」と聞いた際は注意が必要です。
参考)「カテキンの効果」はご存知ですか?過剰摂取による症状も解説!…
また、鉄欠乏性貧血の患者が濃い緑茶を大量に摂取すると、タンニンが非ヘム鉄の吸収を妨げる可能性があります。 鉄剤服用中の患者への栄養指導の際に見落としやすいポイントです。これはデメリットの一つです。
外用としてのグリーンティーエキスは適切な濃度(研究では2〜7%)であればパッチテストでも刺激性が認められておらず、敏感肌にも比較的適した成分とされています。 カフェインに敏感な体質の患者には、内服よりも外用の形を勧める方が合理的です。yogajournal+1
カテキンの過剰摂取による肝臓への影響・鉄吸収阻害リスクについて医師が解説 ─ MedicalDoc(副作用・デメリットセクションの参考)
EGCGの受容体67LRを介した多面的生理作用(抗炎症・抗アレルギー)の最新研究 ─ 花王健康科学研究会