抗真菌薬を使っても、陰部のぶつぶつが治らないケースの約3割は最初からカンジダ症ではありません。 chouchou-c(https://chouchou-c.jp/menu/gynecology/std/candida/)
陰部カンジダ症(外陰腟カンジダ症)の主症状は、外陰部の強いかゆみ・灼熱感・発赤です。 ぶつぶつというよりも、びらんや発赤が主体になることが多く、ヨーグルト・カッテージチーズ・酒粕状のおりものを伴うのが典型的な所見です。 kobayashi.co(https://www.kobayashi.co.jp/brand/feminina/candida/about.html)
外陰部のpHを測定すると、カンジダ症では4.5未満を示すことが多く、これがトリコモナス膣炎(通常pH>4.5)との鑑別ポイントの一つになります。 つまり、pH測定だけ覚えておけばOKというわけではありませんが、鑑別の糸口として非常に有用です。 fusion-clinic(https://fusion-clinic.jp/menu/candidiasis/)
| 疾患名 | ぶつぶつの性状 | 主なかゆみ | おりもの変化 |
|---|---|---|---|
| 外陰腟カンジダ症 | 紅斑・丘疹・びらん | 強い | 酒粕・カッテージチーズ状 |
| 尖圭コンジローマ | 乳頭状・鶏冠状イボ | 少ない | ほぼなし |
| 接触性皮膚炎 | 紅斑・丘疹・水疱 | 強い | ほぼなし |
| バルトリン腺炎 | 腫脹・硬結 | 痛みが主 | 膿性分泌物 |
陰部のぶつぶつで最も誤診しやすい組み合わせが、カンジダ症と尖圭コンジローマです。尖圭コンジローマは乳頭状・鶏冠状の形態が特徴で、視診で十分に診断できる場合が多いとされています。 ただし、初期病変は数ミリ以下の白色~ピンク色の突起にすぎず、カンジダに伴う丘疹と外見上の区別がつきにくいことがあります。 ebine-womens-clinic(https://ebine-womens-clinic.com/blog/13275)
鑑別の実際としては、まず病変の左右対称性を確認します。前庭乳頭症(vestibular papillomatosis)は膣入口部粘膜と同色のぶつぶつが左右対称に整列しており、これは生理的変異で治療不要です。 一方、尖圭コンジローマの病変は非対称で、形・大きさが不揃いなことが多い点が判断の手がかりになります。 takakiiin(https://takakiiin.com/blog/post-1998/)
確定診断が必要なケースでは、5%酢酸液を患部に塗布してコルポスコープで観察する酢酸試験が有効です。 白色変化(酢酸白色化)が認められれば尖圭コンジローマの可能性が高まります。これは必須の手順です。 id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/sa/condyloma/010/index.html)
外陰腟カンジダ症の診断は、臨床症状が最も重要です。 培養結果を待たずに、典型的な帯下所見と強いかゆみがあれば臨床診断として治療を開始できます。これが原則です。 himeji-ladies(https://himeji-ladies.jp/course/venerealdisease/candidiasis/)
菌の確認方法としては、おりものを用いた検鏡法(顕微鏡観察)と培養法の2種類があります。 検鏡法は即日結果が得られるため外来診療で利便性が高く、偽菌糸(仮性菌糸)の確認がカンジダ症診断の根拠になります。培養法はより感度が高い反面、結果が出るまでに数日を要します。 hc.tanabe-pharma(https://hc.tanabe-pharma.com/site_okinazole/contents/natural-healing/)
ただし、培養でカンジダが検出されても、それが症状の原因とは限りません。カンジダ属は常在菌であるため、無症候性保菌者でも検出されることがあります。 症状・所見・検査結果を総合して判断することが重要です。 ic-clinic-ueno(https://ic-clinic-ueno.com/column/vulva-candida-symptoms/)
参考:外陰腟カンジダ症の臨床診断基準や治療ガイドラインについては日本性感染症学会のガイドラインが詳しい。
通院困難なケースでは、週1回の膣洗浄後にイソコナゾール腟錠300mg 2錠を挿入する週1回投与法が選択肢になります。 症状が持続する場合はフロリード腟坐剤100mgの連日投与に切り替えます。これも知っておくと実践で役立ちます。 fuyukilc.or(https://www.fuyukilc.or.jp/column/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%80%E5%A4%96%E9%99%B0%E8%85%9F%E7%82%8E%E3%81%AE%E7%97%87%E7%8A%B6%E3%81%A8%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%B3%95/)
再発性外陰腟カンジダ症(年4回以上の再発)の場合は、フルコナゾールなどの内服抗真菌薬が選択されます。 維持療法として、フルコナゾール150mgを週1回・6ヵ月間投与するプロトコルが用いられることがあります。再発率が高い疾患だからこそ、維持療法の知識が重要です。 chouchou-c(https://chouchou-c.jp/menu/gynecology/std/candida/)
腟カンジダを経験した女性の約2人に1人が再発を経験しています。 さらに再発者のうち12.6%が3回、16.4%が4回以上再発しているというデータもあり、再発しやすさは単なる「運」ではなく、生活環境や免疫状態に密接に関係します。 hc.tanabe-pharma(https://hc.tanabe-pharma.com/site_okinazole/contents/vaginal-discharge/)
再発リスクを高める主な因子は、疲労・ストレス・抗菌薬の使用・ホルモン変動・性器周囲の高温多湿環境です。 特に、広域抗菌薬の使用は膣内の正常細菌叢(乳酸菌)を破壊し、カンジダの過増殖を招きます。抗菌薬投与中の患者には事前に説明しておくことが予防につながります。意外なリスクですね。 pairlife-clinic(https://pairlife-clinic.com/kinds/candida/recurrence/)
患者指導のポイントとして、締め付けの強い下着や化学繊維の下着を避けること、生理用品の長時間使用を控えること、外陰部の過剰な洗浄(石鹸の膣内使用)を避けることが挙げられます。 これらは「やりすぎ」によって正常な膣内環境を乱すことにつながります。伝えるべき内容はシンプルです。 mariko-clinic(https://mariko-clinic.com/consultation/gynecology/abnormal_female-organ/)
再発性カンジダ症が疑われる患者で、維持療法の開始を検討する際には、患者の日常的な服薬管理のしやすさも考慮する必要があります。フルコナゾールの週1回投与という間隔は比較的継続しやすく、服薬アドヒアランスの観点でも現実的な選択肢です。 chouchou-c(https://chouchou-c.jp/menu/gynecology/std/candida/)
参考:再発性腟カンジダの予防・生活指導に関する患者向け情報。
参考:カンジダ症と症状が似ている疾患の一覧(接触性皮膚炎、外陰ジストロフィーなど)。