補助金を使わずに工事すると、実質2倍の出費になります。
二重窓リフォームの費用は、窓のサイズによって大きく変わります。まず全体の相場感を掴んでおくと、業者から見積もりを受け取ったときに「高いのか安いのか」が判断しやすくなります。
最も一般的な施工方法は「内窓(インナーサッシ)の設置」です。既存の窓の室内側にもう一枚窓を追加するだけなので、工事は1箇所あたり30分〜1時間程度で完了します。壁を壊す工事がないため、住みながら工事ができるのが大きな特徴です。
| 窓の種類 | サイズの目安 | 費用の目安(内窓設置) |
|---|---|---|
| 🪟 小窓(トイレ・浴室など) | 〜750mm×550mm | 3〜6万円 |
| 🪟 腰高窓(居室など) | 1650mm×1000mm前後 | 5〜10万円 |
| 🚪 掃き出し窓(リビングなど) | 1800mm×2000mm前後 | 8〜20万円 |
腰高窓は、一般的な住宅の居室によく設置されている、床から腰の高さ(約90cm)までの窓です。横幅がおよそ畳1枚分(約165cm)あります。掃き出し窓はリビングなどに多い大型の窓で、人が出入りできるサイズです。
費用が変わる要因は主に3つあります。
- ガラスの種類:単板ガラス・ペアガラス(複層ガラス)・Low-Eガラスの順で断熱性能が上がり、価格も上がります。Low-Eガラスは「Low-E複層ガラス」とも呼ばれ、熱を反射する特殊コーティングが施されています。
- サッシの素材:アルミ製よりも樹脂製の方が断熱性が高く、価格も高い傾向があります。
- 施工業者・ブランド:LIXILの「インプラス」、YKK APの「プラマードU」、大信工業の「内窓プラスト」など、メーカーによって価格帯に差があります。
つまり目的によって選ぶべき窓が変わります。断熱重視ならLow-E複層ガラス、防音重視なら気密性の高い「内窓プラスト」などが候補になります。施工前に「何を解決したいのか」を明確にしてから業者に相談するのが基本です。
全部の窓を一気にリフォームすると費用は一体いくらになるのでしょう?一般的な戸建住宅は窓が10〜15箇所あるといわれており、すべて施工すると100〜150万円程度かかることもあります。これは「東京ディズニーランドの年間パスポート(約9万円)をおよそ15枚買える金額」と考えると、なかなかの出費です。だからこそ補助金の活用が重要になります。
内窓(二重窓)リフォームの費用相場と窓サイズ別の実例解説|断熱匠
補助金を知らずに工事すると、実質2倍払うことになります。これが冒頭に挙げた驚きの事実です。
2026年現在、国が主導する「先進的窓リノベ2026事業」を活用すれば、1戸あたり最大100万円の補助金を受け取れます。対象は窓の断熱リフォーム全般で、内窓設置・窓ガラス交換・サッシごと交換など幅広い工事が含まれます。
補助金の仕組みを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 🏛️ 制度名 | 先進的窓リノベ2026事業(環境省) |
| 💴 補助上限額 | 1戸あたり最大100万円(2025年度は200万円から半減) |
| 📅 申請期限 | 2026年12月31日まで(予算終了次第、早期終了あり) |
| 📝 申請方法 | 工事業者(登録事業者)が代理申請 |
| ⚠️ 最低補助額 | 合計補助額が5万円未満の工事は対象外 |
重要なのは、2025年度の補助上限が200万円だったのに対し、2026年度は100万円に引き下げられた点です。制度が縮小傾向にある以上、「来年でいいや」と先送りすると受けられる補助額が減るリスクがあります。期限があります。
具体的な補助額のイメージを示すと、Sグレード(最高性能)の内窓を設置した場合、掃き出し窓(大サイズ)で約6.8万円、腰高窓(中サイズ)で約4.6万円、小窓で約2.9万円の補助が受けられます。実際の費用と比較すると、確かに「ほぼ半額」に近い水準です。これは使えそうです。
一つ注意したいのは、申請は個人ではできない点です。補助金の申請手続きは「窓リノベ事業者」として登録された業者のみが行えます。業者を選ぶ際に「先進的窓リノベの登録業者かどうか」を確認するのが条件です。補助金対応業者かどうかを最初の問い合わせ時に確認しておくと、後のトラブルを防げます。
また、各自治体独自の補助制度が別途用意されている場合もあります。東京都葛飾区では「かつしかエコ助成金」として一戸建て最大20万円・集合住宅最大100万円の補助が受けられるケースもあります。国の補助金と合算できるかどうかは制度によって異なるため、お住まいの自治体のホームページか、業者に事前確認しましょう。
先進的窓リノベ2026事業の対象要件と補助上限|環境省公式サイト
「費用がかかっても、長期的に元が取れるの?」という疑問は当然です。数字で確認しましょう。
LIXILのシミュレーションによると、内窓リフォームによって毎月の冷暖房費が約1,670円削減され、10年間で約20万円の節約効果があるという試算があります。補助金を使って実質負担が3〜4万円(腰高窓1箇所の場合)であれば、光熱費の節約だけで2年以内に元が取れる計算になります。
さらに複数箇所施工した場合、節約効果も比例して大きくなります。例えば家全体の窓5箇所に施工すれば、年間の冷暖房費削減は1〜2万円以上が期待できます。これはコーヒー専門店のコーヒーを毎日1杯我慢するのと同じくらいの節約効果です。
電気代削減以外にも、見えにくいメリットがあります。
- 結露の抑制:結露によるカビ・ダニの発生を防ぎ、カーテンや壁紙の交換コストを削減できます。
- 防犯性の向上:警視庁の調査では、空き巣の約6割が窓を割って侵入するとされています。窓が二重になることで侵入に時間がかかり、抑止力になります。
- 防音効果:外の騒音が軽減されることで、睡眠の質や在宅ワーク環境が改善します。特に道路・線路沿いの住宅で実感しやすい効果です。
ただし「効果を感じにくい」ケースもあります。ガラスの種類の選択ミスや、施工後も隙間が多い状態では期待どおりの断熱・防音効果が出ません。低音域の騒音(大型トラックのエンジン音など)は二重窓でも防ぎにくいという特性があります。これは注意が必要ですね。
目的と効果の対応を整理しておくと、断熱・電気代削減を重視するならLow-E複層ガラスの内窓、防音を重視するなら気密性の高いサッシ(内窓プラストなど)、結露対策なら防露性能のある複層ガラスが有効です。
内窓リフォームの電気代節約効果と10年間のシミュレーション|エディオンリフォーム
マンションに住んでいる方が見落としがちなのが、「管理組合への許可申請」が必要なケースがある点です。
マンションの窓は多くの場合「共用部分」として管理規約で定められています。外側のサッシや窓ガラスは共用部分であることがほとんどです。外側の窓ガラスを交換したり、サッシを丸ごと取り替えるようなリフォームは、管理組合の承認なしには原則として行えません。管理規約が原則です。
一方で、内窓(インナーサッシ)の設置は「既存の外窓に手を加えない」工事であるため、多くのマンションで管理組合の承認が得やすい傾向があります。実際に、「内窓ならOK」と許可が下りた事例は数多く報告されています。ただし規約の内容はマンションごとに異なるため、事前に管理規約を確認し、必要に応じて管理組合へ申請することが不可欠です。
マンションでの二重窓リフォームにかかる費用は、基本的に戸建て住宅と同様の相場です。1箇所あたり8〜15万円が目安で、先進的窓リノベ2026の補助金も利用できます。一戸建てと同じ条件で補助金を受けられるのは、マンション住まいにとって大きなメリットです。
マンション固有の注意点を整理すると、次の3点です。
- 管理規約の確認:外窓・サッシの変更可否を確認し、内窓設置なら許可が下りやすいことも合わせて確認する
- 申請書類の準備:管理組合への申請には図面や製品カタログが必要な場合がある(業者に代行してもらえることも多い)
- 原状回復の確認:賃貸マンションの場合、内窓設置が原状回復義務の対象になるかどうかを事前に大家に確認する
費用を抑えたい場合は、同じフロアや棟の住人と合同で業者に依頼するという方法もあります。複数箇所をまとめて施工すると、業者側の移動・段取りコストが下がり、1箇所あたりの施工費が割安になるケースがあります。
マンションの二重窓設置に許可は必要か?管理規約の考え方と申請手順を解説
同じ窓・同じ工事でも、業者によって費用は2倍近く差がつくことがあります。適正価格を知るためには「相見積もり」が基本です。
相見積もりとは、複数の業者(最低でも3社)に同じ条件で見積もりを依頼し、内容と価格を比較することです。1社だけに問い合わせると、その価格が「高いのか安いのか」の判断ができません。見積もり書には「商品代」と「工事費」が分かれて記載されているかを確認しましょう。分けて記載されていない場合は、内訳を質問することをすすめます。
費用を安く抑える具体的なコツは、以下の3点です。
- 複数箇所をまとめて発注する:1箇所だけの工事より、3〜5箇所まとめて依頼するほうが1箇所あたりの施工費が下がります。業者の出張費・段取り費が分散されるためです。ある業者では「3箇所以上のご依頼で標準工賃が無料になる」というサービスを設けているところもあります。
- 補助金対応の登録業者を選ぶ:先進的窓リノベ2026の補助金申請は、登録業者でないと手続きできません。業者選びの段階で「登録事業者かどうか」を最初に確認するだけで、数万〜数十万円の補助を確実に受け取れます。
- シーズンオフに依頼する:夏・冬は断熱リフォームの需要が高まり、業者が繁忙期を迎えます。春(3〜5月)や秋(9〜10月)は比較的余裕があり、交渉がしやすい時期です。
業者選びで失敗しないためのチェックポイントは3つです。まず施工実績が公開されているかどうか(事例写真や口コミが確認できる)、次に補助金手続きの代行実績があるかどうか、そして見積もり後に強引な押し売りがないかどうかです。
「安さだけ」で業者を選ぶのはリスクがあります。施工精度が低いと断熱・防音の効果が出にくく、せっかく費用をかけたのに「効果を感じられない」という後悔につながることがあります。実績と価格のバランスで判断することが大切です。
リフォーム業者の一括見積もりサービス(リショップナビ、ホームプロなど)を活用すると、複数業者への見積もり依頼を一度の入力でまとめて行えます。比較の手間を大幅に減らせるため、時間の少ない方には特に有効な方法です。これは使えそうです。
内窓(二重窓)リフォーム業者の選び方と見積もり比較のコツ|断熱匠