39項目を検査しても、保険算定できる点数は13項目分(1,430点)で頭打ちになります。
特異的IgE検査(RAST検査)とは、血液中に存在する特定のアレルゲンに対するIgE抗体を定量する検査です。 I型(IgE依存型)アレルギー反応の原因アレルゲンを同定し、除去・回避という根本的な治療方針の決定に直結する、現場での重要度は非常に高い検査です。 test-directory.srl(https://test-directory.srl.info/akiruno/test/detail/II0000007)
測定法は大きく2種類に分かれます。 kasai-yokoyama(https://www.kasai-yokoyama.com/allergy_test/)
MAST-36とVIEW-39は33項目が共通ですが、「ゴキブリ」「ガ」「マラセチア(カビ)」「サバ」「モモ」「トマト」「リンゴ」の7項目が異なります。 これは選択の際に見落とされやすいポイントです。 kasai-yokoyama(https://www.kasai-yokoyama.com/allergy_test/)
| 測定法 | 項目数 | 主な用途 | 保険算定 |
|---|---|---|---|
| CAP法(単項目) | 1〜13項目 | 特定アレルゲンの同定 | 1項目110点(上限1,430点) |
| MAST-36 | 36項目 | 広域スクリーニング | 上限1,430点で変わらず |
| VIEW-39 | 39項目 | 広域スクリーニング | 上限1,430点で変わらず |
| CAPマルチアレルゲン | 混合グループ単位 | 初期スクリーニング | 1グループ1項目として算定 |
つまり、測定項目数ではなく採血回数が算定の基準です。 data.medience.co(https://data.medience.co.jp/guide/guide-06030011.html)
保険算定の基本ルールは「1項目110点、1回採血での上限1,430点(13項目相当)」です。 これが原則です。 data.medience.co(https://data.medience.co.jp/guide/guide-06030011.html)
ここで問題になるのが、MAST-36やVIEW-39など39項目を実施した際の算定方法です。39項目を検査しても算定点数は13項目分(1,430点)を超えることができません。 「多く測定した分だけ算定できる」と思い込んでいる場合、レセプト審査で減点される可能性があります。 med.augarten-japan(https://med.augarten-japan.com/rastkensahiyoutukenwotadashikushiru.html)
現場でありがちなミスを整理します。
厳しいところですね。請求担当者だけでなく、検査を依頼する医師側も上限ルールを把握しておくことが、施設全体のリスク低減につながります。 ssk.or(https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_115.pdf)
算定ルールの確認には、支払基金・国保の統一事例集が参考になります。食物アレルギー疑いに対する特異的IgE算定についての判断基準が収録されています。
支払基金・国保統一事例:食物アレルギー疑いに対する特異的IgE半定量・定量の算定について(PDF)
「特異的IgE検査が陰性ならアレルギーなし」と判断するのは早計です。症状があるにもかかわらず特異的IgEが陰性になる例は、報告によれば約1割存在します。 意外ですね。 crc-group.co(https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/185.html)
陰性になる代表的な原因は以下の3つです。
仮性アレルゲンは検査では検出できません。これだけは例外です。 問診で食事内容を詳細に確認し、仮性アレルゲン食品の摂取状況を把握することが診断の補完になります。 crc-group.co(https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/185.html)
アニサキスアレルギーを疑う場合は、原因と思われる魚の特異的IgEに加え、アニサキス特異的IgEも同時に検査するのが現在の推奨です。 検査項目の選択が診断精度を大きく左右するということですね。 crc-group.co(https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/185.html)
検査項目の選択は、問診による事前のアレルゲン推定が基本です。 やみくもに多項目を並べるのではなく、臨床的に疑われるアレルゲンに絞ることが、保険上の合理性と診断効率の両面で重要です。 crc-group.co(https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/185.html)
陽性率の高い主要アレルゲンは以下のとおりです。 data.medience.co(https://data.medience.co.jp/guide/guide-06030011.html)
🌬 吸入系アレルゲン(通年性・季節性)
🍽 食物系アレルゲン
喘息やアレルギー性鼻炎で通年性アレルゲンが陰性の場合、昆虫(ゴキブリ・ガ・ユスリカ)の特異的IgEが原因となっているケースが増加しています。 昆虫特異的IgEの陽性率は無視できない水準になっており、吸入系アレルゲンの選択肢として意識的に加える価値があります。 crc-group.co(https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/185.html)
アレルゲン項目の全一覧は、検査センターの公開データベースで確認できます。16種セットや混合マルチアレルゲンの構成内容も記載されています。
LSIメディエンス:アレルゲン検査(アレルゲン特異的IgE)項目一覧 ー 1,500万件超のデータに基づく国内陽性率も掲載
特異的IgEのクラス値(0〜6)は「感作の有無」を示すものであり、必ずしも「症状の重症度」と一致しません。 この点は検査結果を患者に説明する場面で特に重要です。 mb-clinic(https://mb-clinic.jp/topics/2026/03/26/ige/)
クラス2以上で陽性と判定されますが、クラス6(≧100UA/mL)であっても無症状のケースは存在し、逆にクラス1でも強い症状を呈する患者もいます。 結論は「クラス値と症状は別軸で評価する」が原則です。 mb-clinic(https://mb-clinic.jp/topics/2026/03/26/ige/)
| クラス | IgE抗体量の目安 | 臨床的解釈の注意点 |
|---|---|---|
| 0 | 0.35UA/mL未満 | 陰性だが症状否定はできない(約1割の偽陰性) |
| 1 | 0.35〜0.69 | 境界域。症状との照合が必須 |
| 2〜3 | 0.70〜3.49 | 陽性判定。問診と組み合わせて解釈 |
| 4〜6 | 3.50以上 | 高感作だが無症状例もあり。過信しない |
また、総IgEが極端に高い患者(アトピー素因が強い場合)では、非特異的にクラス値が底上げされる「非特異的反応」が起きることもあります。これは使えそうです。 総IgEと特異的IgEをセットで参照し、比率も確認する習慣が診断の精度を高めます。 mb-clinic(https://mb-clinic.jp/topics/2026/03/26/ige/)
患者説明の場では「この数字が高いから重い」「低いから大丈夫」という単純な伝え方を避け、症状との対応関係を軸に説明することがクレームリスクの低減にもなります。患者説明のフローや検査結果の解釈支援ツールとして、シスメックスのプライマリケア情報サイトが参考になります。
シスメックス プライマリケア:特異的IgE半定量・定量 ー 臨床的意義・基準値・異常値の解説ページ