ftu軟膏小児の年齢別塗布量と正しい使い方

小児へのFTU(フィンガーティップユニット)を用いた軟膏塗布量は年齢・部位によって細かく異なります。成人と同じ感覚で塗るのは過不足の原因に。正しい量と塗り方を知っていますか?

FTUで軟膏の小児への塗布量を正しく理解する

5gの小チューブで1FTU分を絞っても、成人基準の0.5gには届かず薬効が半分以下になります。


FTU軟膏 小児への正しい使い方:3つのポイント
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FTUの基準は「大人の指」で測る

小児に塗る場合も、保護者または医療従事者の人差し指第一関節までの量(約0.5g)が1FTUの基準。子どもの指では測らない。

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年齢・部位別に必要FTU数が違う

3〜6か月児の顔・頸部は1FTU、下肢片側は1.5FTUと部位ごとに異なる。成人用の塗布量をそのまま使い回すのは誤り。

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チューブのサイズで実量が変わる

5gチューブでは1FTU分を絞っても約0.2g、10gチューブでは約0.3gしか出ない。25g以上のチューブが初めて1FTU≒0.5gになる。


FTU(フィンガーティップユニット)とは何か:小児診療での基本定義

FTU(finger-tip unit)とは、1991年にC.C. Longらによって提唱された、外用薬の塗布量を示す実用的な単位です 。口径5mmのチューブから大人の人差し指の先端〜第一関節まで絞り出した量が1FTUで、重量にして約0.5gに相当します 。この1FTUで「大人の手のひら2枚分(体表面積の約2%)」を適切に塗布できるとされており、患者・医師双方が共通の尺度として使いやすい点が特徴です 。 iroha-hifuka(https://iroha-hifuka.com/column/%E7%9A%AE%E8%86%9A%E7%A7%91%E3%81%AE%E5%A4%96%E7%94%A8%E8%96%AC%E3%81%AE%E4%BD%BF%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%9F/)


重要な点があります。この基準はあくまで「大人の人差し指」で測るものです。小児に塗る場合でも、子どもの指ではなく保護者や医療従事者の人差し指で量を測ってから使用することが推奨されています 。 rebirth-clinic(https://rebirth-clinic.jp/blog/5504/)


つまり「FTUの基準は大人の指」が原則です。


小児のFTU軟膏使用量:年齢・部位別の正確な塗布量一覧

小児への軟膏塗布量は年齢と部位によって細かく設定されています。以下の表は1FTU=0.5gを基準とした目安量です 。 erca.go(https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/column/202310_1/)


年齢 顔・頸部 上肢片側 下肢片側 体幹(前面) 体幹(背面)
3〜6か月 1 FTU(0.5g) 1 FTU(0.5g) 1.5 FTU(0.75g) 1 FTU(0.5g) 1.5 FTU(0.75g)
1〜2歳 1.5 FTU(0.75g) 1.5 FTU(0.75g) 2 FTU(1.0g) 2 FTU(1.0g) 3 FTU(1.5g)
3〜5歳 1.5 FTU(0.75g) 2 FTU(1.0g) 3 FTU(1.5g) 3 FTU(1.5g) 3.5 FTU(1.75g)
6〜10歳 2 FTU(1.0g) 2.5 FTU(1.25g) 4.5 FTU(2.25g) 3.5 FTU(1.75g) 5 FTU(2.5g)


この表を見ると、同じ「3〜6か月児の全身」に塗る場合でも部位によって0.5g〜0.75gと差があることがわかります。体幹背面・下肢は体幹前面より多くの量が必要になるため、一律で同じ量を塗ることは過不足につながります 。 erca.go(https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/column/202310_1/)


年齢が上がるにつれ必要量が増えるのは当然ですが、注目すべきは体幹背面の増加幅です。1〜2歳では3 FTU(1.5g)、6〜10歳では5 FTU(2.5g)と、成長とともに急激に増加します 。体幹背面はお尻を含む広い面積であるため、不足しやすい部位として認識しておくことが大切です。 nihonatopy.join-us(https://www.nihonatopy.join-us.jp/padyna/chiryo/gaiyouyaku.html)


チューブサイズによるFTU実量の違い:5gチューブ使用時の注意点

「1FTU=約0.5g」と覚えていても、使用するチューブのサイズによって実際の絞り出し量は大きく変わります。これは小児診療の現場で特に注意が必要な落とし穴です。


チューブのサイズ別の実際の1FTU量は以下の通りです 。 ochanomizu.yourclinic(https://ochanomizu.yourclinic.jp/atopic_dermatitis)


  • 5gチューブ:1FTU分を絞ると約<strong>0.2g(基準値の40%)
  • 10gチューブ:1FTU分を絞ると約0.3g(基準値の60%)
  • 25g以上のチューブ:1FTU分を絞ると約0.5g(基準値通り)


つまり小さいチューブで基準の指示通りに絞っても、必要量の半分以下しか塗れていない可能性があります。これは問題ですね。


小児科・皮膚科では小サイズのチューブを処方することも多いため、患者指導の際には「このチューブは5gチューブなので、第一関節までではなく2節分絞ってください」と伝えることが適切な塗布量確保につながります 。処方チューブのサイズを確認してから指導することが条件です。 ochanomizu.yourclinic(https://ochanomizu.yourclinic.jp/atopic_dermatitis)


小児ステロイド外用薬のFTU管理:副作用を防ぐ塗布上限量

小児にステロイド外用薬を使用する際、FTUを用いた管理は副作用リスクの低減にも直接関係します。アトピー性皮膚炎の診療においては、年齢・体重別に1回塗布量の上限が設定されています 。 maruho.co(https://www.maruho.co.jp/kanja/atopic/suitable/external.html)


  • 2〜5歳(20kg未満):1回上限1g(=4FTU)
  • 6〜12歳(20〜50kg未満):1回上限2g〜4g(=8〜16FTU)
  • 13歳以上(50kg以上):1回上限5g(=20FTU)


一方で、適切な量を使用した場合の安全性についても理解しておく必要があります。小児を対象とした長期研究では、適正使用範囲内でのステロイド外用薬は皮膚萎縮を起こさなかったとする報告があります 。1か月あたりの強力価ステロイドの平均使用量が79gに達する症例でも、偽薬群と比較して皮膚萎縮に差がなかったというデータは注目に値します。 onizawa-fc(https://onizawa-fc.com/blog/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E3%81%AE%E8%BB%9F%E8%86%8F%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E5%A1%97%E3%82%8B%E3%81%A8%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%8B%EF%BC%9F)


結論は「適切な量と強度の選択」が最重要です。


医療従事者が見落としがちな小児へのFTU指導の現場課題

複数科にまたがって診療される小児の患者では、診療科ごとに指導内容が一致しないケースも起こりえます。これは厳しいところですね。


実際に医療現場で見落とされやすい指導ポイントをまとめます。


  • 🔹 チューブの口径サイズを確認せずにFTU量を伝えている
  • 🔹 成人用のFTU量を小児にそのまま換算してしまう
  • 🔹 部位ごとのFTU差(例:顔1FTU vs 下肢1.5FTU)を説明していない
  • 🔹 保護者ではなく子どもの指でFTUを測るよう誤って指導してしまう
  • 🔹 保湿剤とステロイド外用薬を同じFTU量で指導してしまう(保湿剤は多めでOK )
  • ja-aichiama(https://www.ja-aichiama.com/wp-content/uploads/amanokaze0402.pdf)


保湿剤については副作用リスクがほぼないため、FTU以上の量を塗ることが推奨されています 。ステロイド外用薬と保湿剤のFTU運用は区別して指導することが実臨床では重要です。 ja-aichiama(https://www.ja-aichiama.com/wp-content/uploads/amanokaze0402.pdf)


皮膚外用薬の適切な使い方についての詳細情報は、日本皮膚科学会・皮膚科Q&Aが信頼性の高い一次情報として参照できます。


皮膚科Q&A「軟膏やクリームを塗る量はどのくらい?」(日本皮膚科学会)


小児アトピー性皮膚炎のFTU基準量一覧(年齢別・部位別)を確認したい場合は、以下のページが図表でわかりやすくまとめられています。


外用薬について(年齢・患部別FTU使用量一覧)(日本アトピー協会)


小児ステロイド外用薬の塗布上限量とFTU換算の詳細は、以下のマルホ医療関係者向けページで確認できます。


アトピー性皮膚炎の外用薬の上手な使い方(マルホ株式会社)