スギ・ヒノキが終わっても症状が続く患者に、イネ科を見落とすと診断が半年ズレます。
イネ科花粉の飛散時期は、スギやヒノキと比べて圧倒的に長いのが特徴です。関西では1月上旬〜11月中旬、九州では2月中旬〜11月いっぱいまで飛散が確認されており、ほぼ年間を通じて症状が出うる状況です。 北海道でも5月初旬〜9月いっぱいが飛散期間とされており、北から南まで地域によってピーク時期が大きく異なります。 brand.taisho.co(https://brand.taisho.co.jp/allerlab/kafun/024/)
これが原則です。「春が終われば花粉症も終わり」という認識は、イネ科に関しては通用しません。
東北地方では3月下旬から飛散が始まり、10月いっぱい、場合によっては12月下旬にも少量の飛散が見られます。 ピークは5月初旬〜6月中旬と、8月初旬〜9月いっぱいの年2回あります。 患者が「スギは終わったのにまだ症状がある」と訴えてきたとき、このカレンダーを頭に入れておくだけで鑑別の精度が変わります。 brand.taisho.co(https://brand.taisho.co.jp/allerlab/kafun/024/)
| エリア | 飛散開始 | 飛散終息 | 飛散ピーク |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 5月初旬 | 9月いっぱい | 6月中旬〜6月いっぱい |
| 東北 | 3月下旬 | 10月(12月にも少量) | 5月初旬〜6月中旬、8月初旬〜9月 |
| 東海 | 3月下旬 | 10月いっぱい | 飛散量は少なめ |
| 関西 | 1月上旬 | 11月中旬 | 4月下旬〜5月、8月中旬〜9月上旬、10月上旬 |
| 九州 | 2月中旬 | 11月(12月にも少量) | 4月中旬〜6月中旬、8月下旬〜9月、10月初旬 |
参考:イネ科を含む地域別花粉飛散カレンダーの詳細データ(大正製薬アレルラボ)
https://brand.taisho.co.jp/allerlab/kafun/024/
「イネ科花粉」は一種類ではありません。これは重要です。代表的な原因植物であるカモガヤ(オーチャードグラス)は、5月中旬〜6月下旬が主な飛散期で、特に5月下旬〜6月上旬がピークです。 道端や河川敷の空き地でよく見られる雑草で、都市部でも身近な場所に生育しています。 oishi-shunkei(https://oishi-shunkei.com/blog/10216/)
オオアワガエリ(チモシー)は5〜7月が主な飛散時期で、牧草として利用されていることから、農村部・郊外に多く分布します。 カモガヤとオオアワガエリは抗原交差反応性が高く、どちらか一方に感作されると、もう一方にも反応しやすい性質があります。つまり、カモガヤで陽性が出た患者は夏の症状持続にも注意が必要です。 wakayama-naika(https://wakayama-naika.com/living2505.html)
イネ(稲作)本体の花粉は、稲の出穂時期にあたる8〜9月に飛散します。 農村地域の患者では、秋の症状の主因になっている場合があります。稲刈りシーズン(9月)の症状悪化を訴える患者には、このイネ本体の花粉飛散を念頭に置いてください。 wakayama-naika(https://wakayama-naika.com/living2505.html)
参考:環境省が公表している主な花粉と飛散時期のガイドライン(PDFデータ)
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/2_chpt2.pdf
イネ科花粉症の症状は、スギ・ヒノキ花粉症と基本的に同じです。くしゃみ・鼻水・鼻閉・目のかゆみが主症状ですが、気管支喘息や結膜炎との合併率が高い点に特徴があります。 特に注意すべきは「5月以降に症状が続く患者」で、スギ・ヒノキの飛散終了後も症状が残る場合、イネ科花粉またはブタクサとの重複感作を疑う必要があります。 tagaya-clinic(https://www.tagaya-clinic.com/blog/%E3%82%A4%E3%83%8D%E7%A7%91%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%81%AB%E6%B3%A8%E6%84%8F%EF%BC%81%EF%BD%9E%E7%A7%8B%E3%81%AE%E6%99%82%E6%9C%9F%E3%81%AB%E5%A2%97%E3%81%88%E3%82%8B/)
重複感作は見落としやすいですね。スギ花粉症と診断されている患者の中に、実はイネ科にも感作されているケースが相当数含まれており、それが「春以外にも症状がある」「夏も調子が悪い」という訴えの原因になっていることがあります。 kodama-ent(https://kodama-ent.jp/dcblog/892/)
春の抗アレルギー薬投与が終了した後に症状が再燃した患者には、イネ科アレルゲンのスクリーニング(血液検査によるCAP-RAST)を追加するのが適切です。カモガヤ(Dac g)とチモシー(Phl p)は個別に検査可能で、どちらかが陽性であれば治療方針の修正につながります。
参考:イネ科花粉症の症状・対策について(内科クリニック情報)
https://wakayama-naika.com/living2505.html
イネ科花粉は、スギ・ヒノキと飛散源が大きく異なります。山から飛来するスギと違い、イネ科花粉は身近な場所—河川敷・空き地・公園の草地・農道沿い—から発生します。 飛散距離は比較的短く数十〜数百メートル程度ですが、近くに生育地があれば局所的に高濃度になります。これが条件です。 wakayama-naika(https://wakayama-naika.com/living2505.html)
「河川敷のジョギングコースで症状が悪化する」「公園の草地の近くで鼻水が止まらなくなる」という患者の訴えが、イネ科花粉の疑いサインになります。患者の生活動線と照らし合わせて指導できると、薬だけに頼らない対策が可能になります。
具体的な生活指導としては、以下のポイントを患者に伝えることが有効です。 tone-eyeclinic(https://tone-eyeclinic.com/column/%E3%82%A4%E3%83%8D%E7%A7%91%E8%8A%B1%E7%B2%89%F0%9F%8C%BE/)
花粉飛散情報をリアルタイムで確認するには、ウェザーニュースの花粉カレンダーや環境省の「花粉情報サイト」が便利です。患者にスマートフォンアプリの活用を勧めるだけで、外出判断の精度が上がります。
一般にあまり知られていない事実があります。イネ科花粉は「年2回のピーク」を持つ植物が多く、春(5〜6月)と秋(8〜9月)の2回、異なる植物種が主役を交代しながら飛散します。 春はカモガヤ・オオアワガエリが主役、秋はイネ本体やススキが加わります。この構造を知らないと、秋の鼻炎を「ブタクサのみ」と誤認しやすくなります。 kafun-rescue(http://kafun-rescue.jp/prevention/pictorial-book/summer.html)
関西では1月上旬から飛散が始まることが確認されています。 「冬は花粉がない」という常識が、この地域では当てはまりません。1月や2月に鼻炎症状を訴える関西・九州の患者には、イネ科花粉を早期に鑑別候補に加える意識が必要です。 brand.taisho.co(https://brand.taisho.co.jp/allerlab/kafun/024/)
また、イネ科花粉の抗原(アレルゲン)は交差反応性が高いため、カモガヤ・チモシー・ハルガヤ・ホソムギはほぼ同じアレルゲン構造を持ちます。 血液検査でカモガヤのみを調べても、イネ科全般の感作をある程度反映できるのはこのためです。逆に言えば、複数のイネ科植物を個別に検査する必要は通常ありません。これだけ覚えておけばOKです。 env.go(https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/2_chpt2.pdf)
花粉症の舌下免疫療法については、スギ・ダニに加え、カモガヤ(シダトレン草)も保険適用の対象です。イネ科花粉症が確定した患者に対して、根治を目指す選択肢として積極的に情報提供することが、長期的な患者満足度向上につながります。
参考:イネ科花粉の種類・症状・対策についての詳細情報(静岡市クリニックのブログ)
https://oishi-shunkei.com/blog/10216/
参考:秋のイネ科花粉と農作業シーズンの関係・日常生活での対策(タガヤクリニック)
https://www.tagaya-clinic.com/blog/