善意でやっていた骨突出部へのマッサージが、褥瘡を悪化させていたとしたら?
褥瘡予防の出発点は、何より皮膚を「清潔に保つこと」です。しかし、ただ洗えばよいというわけではなく、洗浄剤の選択・温度管理・泡立て方など、現場で見落とされがちな細かいポイントが積み重なって、ケアの質を大きく左右します。
まず洗浄剤ですが、健康な皮膚のpHは4〜6の弱酸性です。高齢者の皮膚はすでに皮脂量が減少してアルカリ性に傾いているため、アルカリ性の石けん(pH9〜11)を使うと洗浄後も弱酸性に戻りにくく、バリア機能を損ないます。弱酸性洗浄剤が原則です。
洗浄時のお湯は38〜40℃が目安です。熱いお湯は皮膚のバリア機能を低下させ、乾燥を促進します。泡は「ふわふわでキメが細かい弾力のある泡」を十分に立て、その泡で皮膚を転がすように優しく洗うことが重要です。泡が少ないと摩擦が生じ、脆弱な皮膚ではそれだけでスキン-テア(皮膚裂傷)が起きることもあります。これは見落としやすいですね。
洗浄後の拭き取りも侮れません。清潔なタオルで「押さえ拭き」をするのが原則です。強く擦ることはNGで、ドライヤーによる乾燥もバリア機能を破壊するため避けます。特に汚れが溜まりやすい部位として、耳介後部・頚部・腋窩・乳房下部・臍部・陰部・足趾間などが挙げられます。皮膚同士が密着する間擦部は見落としがちな要注意ポイントです。
| 洗浄ポイント | 推奨内容 |
|---|---|
| 洗浄剤のpH | 弱酸性(pH4〜6相当) |
| お湯の温度 | 38〜40℃(熱すぎない微温湯) |
| 洗い方 | たっぷりの泡で転がすように優しく |
| 拭き取り | 清潔なタオルで押さえ拭き |
| 注意部位 | 耳介・腋窩・陰部・足趾間など |
洗浄後は可能なかぎり10分以内に保湿剤を塗布するのが理想です。時間が経つほど角質層の水分が蒸散してしまい、保湿の効果が下がります。
皮膚の状態を評価しながら洗浄を行うことで、早期の異常発見にもつながります。褥瘡好発部位の発赤・浸軟・びらんを見逃さないためにも、洗浄は「観察の機会」と捉えることが重要です。
参考情報:スキンケアの洗浄・保湿・保護の実践手順(皮膚・排泄ケア認定看護師解説)
洗浄で皮膚をきれいにしたあと、次に欠かせないのが保湿のスキンケアです。保湿を怠ると、角質層の水分量が低下して皮膚が乾燥・脆弱化し、わずかな摩擦でも褥瘡やスキン-テアが発生しやすくなります。
保湿剤の塗布タイミングは、入浴・清拭後15分以内が有効とされています。ただし在宅ではマンパワーの制約もあるため、「少し遅れても必ず塗る」という継続が最優先です。1日2回以上の塗布で保湿効果が高まるとされており、特にスキン-テアの既往がある患者では1日2回の習慣化が推奨されます。1日1回でも毎日続けることが大切です。
保湿剤のタイプ選択も重要です。べたつきの多い順に、軟膏 > クリーム > ローションとなります。べたつきが少なくて伸びのよいクリームやローションは皮膚への刺激が少なく扱いやすい一方、ローション・ゲルは少量でも塗布量が足りなくなりやすいため2度塗りで調整します。
塗布量の目安は「皮膚がしっとりと光る程度」です。ティッシュを当てたとき、ゆっくりはがれ落ちる程度が適量とされています。ティッシュが張り付いて落ちてこない場合は塗りすぎで、逆に湿潤を招きます。

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