乳剤性基剤のゴロで覚えるw/o型とo/w型の違い

乳剤性基剤のゴロ合わせを使ったw/o型・o/w型の覚え方を徹底解説。吸水クリーム・加水ラノリン・親水クリームの分類から、水相を欠く基剤まで、薬剤師国家試験の頻出ポイントをすべて押さえていますか?

乳剤性基剤のゴロで覚えるw/o型・o/w型と水相の違い

「名前に"親水"とついているのに、実は水を含んでいない基剤があります。」


この記事の3つのポイント
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ゴロで一気に覚える

「ワオ!急に来るからバニーの親おわり」の1フレーズで、w/o型・o/w型の全代表基剤を瞬時に仕分けできます。

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水相あり・水相なしの落とし穴

親水ワセリン・精製ラノリンは「w/o型なのに水相を欠く」という国試頻出の引っかけポイント。別ゴロでしっかり区別しましょう。

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臨床との接続で記憶が定着

コールドクリーム・バニシングクリームの感触の違い、混合禁忌の組み合わせまで、現場感覚で理解すると試験当日に迷いません。


乳剤性基剤のゴロ「ワオ!急に来るからバニーの親おわり」の使い方

乳剤性基剤を覚えるうえで、まず理解しておきたい基本構造があります。乳剤性基剤とは、水と油を界面活性剤で乳化させた半固形の基剤であり、油中水型(w/o型)と水中油型(o/w型)の2種類に分類されます。この2タイプの分類と代表基剤を一度に覚えられるゴロが、以下のフレーズです。


> 「ワオ!急に来るから バニーの親おわり」


| ゴロのパーツ | 対応する内容 |
|---|---|
| ワオ! | w/o型(油中水型) |
| 急に来る | 吸水クリーム |
| から | 加水ラノリン |
| バニーの | バニシングクリーム |
| 親 | 親水クリーム |
| おわり | o/w型(水中油型) |


フレーズの前半が「w/o型」、後半が「o/w型」という構造です。これが基本です。


「ワオ!(w/o)→急に来る(吸水クリーム)→から(加水ラノリン)」と流れるように声に出すだけで、油中水型の2代表が出てきます。続けて「バニーの(バニシングクリーム)→親(親水クリーム)→おわり(o/w)」とつなぐと、水中油型の2代表も一気にインプットできます。


このゴロを活用する際に確認しておきたい点があります。吸水クリームと加水ラノリンはどちらも「水相を有する」w/o型であり、後述する「水相を欠く」グループとは別物です。国家試験ではこの区別が頻繁に問われるため、最初の段階で分けて覚えておくと後の混乱を防げます。




ゴロが完成したら、実際に問題形式で確認してみましょう。たとえば「水中油型(o/w型)の乳剤性基剤はどれか」という問いに対し、ゴロの後半「バニーの親おわり」を思い出せば、バニシングクリームと親水クリームがo/w型だとすぐわかります。ゴロだけ覚えておけばOKです。


乳剤性基剤のゴロ「w/o型とo/w型」の特性の違いを押さえよう

ゴロで分類を覚えたあとは、各基剤の「性質の違い」にも目を向けましょう。なぜなら、国家試験では「どの基剤か」だけでなく「その基剤の特徴は何か」まで問われるからです。


まずw/o型(油中水型)の代表である吸水クリームと加水ラノリンについて確認します。w/o型は英語で「Water in Oil」、つまり油の中に水が分散した状態です。コールドクリームとも呼ばれます。塗布すると基剤中の水分が蒸発する際に気化熱を奪い、皮膚に冷感を与えるため「コールド」という名称がついています。水で洗い流されにくく、皮膚保護目的も兼ねることが特徴です。




次にo/w型(水中油型)の代表である親水クリームを確認します。o/w型は英語で「Oil in Water」、つまり水の中に油が分散した状態です。バニシングクリームとも呼ばれ、「vanish(消える)」という単語が示す通り、塗布後に白いクリームが見えなくなる(消える)特徴があります。意外ですね。水洗い除去が容易で、使用感がさらっとしているため患者さんからの受け入れもよい基剤です。




臨床現場で使われている医薬品に置き換えると、さらにイメージが湧きやすくなります。ヒルドイドシリーズで例を挙げると、「ヒルドイドクリーム」はo/w型、「ヒルドイドソフト軟膏」はw/o型です。o/w型のヒルドイドクリームは水をかけると簡単に洗い流せますが、w/o型のヒルドイドソフト軟膏は水をかけても流れ落ちません(マルホ社の資料より)。これを一度イメージとして持つと、試験中に型を迷ったときの判断材料になります。




なお、乳剤性基剤はo/w型・w/o型を問わず、湿潤面には使用しないことが原則です。乾燥した皮膚組織に水分を与える目的で使われるため、滲出液の多い患部には適しません。湿潤面には水溶性基剤(マクロゴール軟膏など)を選択します。これが原則です。


乳剤性基剤のゴロ「水相を欠く」w/o型:親水ワセリンと精製ラノリンを別ゴロで攻略

ここが最大の引っかけポイントです。先ほどのゴロで覚えた「吸水クリーム・加水ラノリン」はどちらも水相を「有する」w/o型でしたが、乳剤性基剤にはもうひとつのグループが存在します。それが「水相を欠く」w/o型、すなわち親水ワセリンと精製ラノリンです。


この2つは厳密にはそのままの状態では水を含んでいませんが、水を吸収するとw/o型乳剤を形成する特性を持つため、乳剤性基剤に分類されています。「名前に"親水"とついているのに水が入っていない」というのが、学習初期に混乱を招くポイントです。


この2つを覚えるには、別ゴロを使うのが効率的です。


> 「セ〇ラさん幸せ」


| ゴロのパーツ | 対応する内容 |
|---|---|
| セ〇ラ | 精製ラノリン |
| 幸せ | 親水ワセリン |


「セ〇ラ(精製ラノリン)さん幸せ(親水ワセリン)」と唱えるだけで、水相を欠くw/o型の2基剤が出てきます。これは使えそうです。




ここで整理しておきましょう。w/o型乳剤性基剤の全体像を表にまとめます。


| 分類 | 代表基剤 | 水相 |
|---|---|---|
| w/o型(水相を有する) | 吸水クリーム | ✅ あり |
| w/o型(水相を有する) | 加水ラノリン | ✅ あり |
| w/o型(水相を欠く) | 親水ワセリン | ❌ なし |
| w/o型(水相を欠く) | 精製ラノリン | ❌ なし |
| o/w型 | 親水クリーム | ✅ あり(外相) |
| o/w型 | バニシングクリーム | ✅ あり(外相) |


この表を意識しながら「水相あり・なし」の2グループを分けて記憶することが、国試の正答率を上げる鍵です。「水相を欠くw/o型=親水ワセリンと精製ラノリン」だけ覚えておけばOKです。




また、精製ラノリンは羊毛から採取した脂肪様分泌物を精製したものであり、自重の2〜3倍の水分を吸収できる高い吸水性を持ちます。ただし、ラノリンアルコールに起因するアレルギー反応の報告があるため、皮膚の過敏な部位への使用には注意が必要です。試験でも臨床でも押さえておきたい点です。


参考資料:乳剤性基剤を含む軟膏基剤の種類と使い分けについての詳細な情報は以下のページで確認できます。


管理薬剤師.com|基剤の種類と特徴(乳剤性基剤の表・混合禁忌情報あり)


乳剤性基剤のゴロを使った国試過去問の解き方と出題パターン

乳剤性基剤に関する国家試験問題は、第98回・第108回など複数の回にわたって出題されており、必須問題として頻繁に登場します。出題パターンは主に以下の3種類です。




パターン①「〇〇型の乳剤性基剤はどれか」


最もシンプルな分類問題です。第98回問54では「水中油型の乳剤性基剤はどれか」が問われ、選択肢は「マクロゴール/白色ワセリン/精製ラノリン/流動パラフィン/親水クリーム」でした。マクロゴールは水溶性基剤、白色ワセリン・流動パラフィンは油脂性基剤と即答できれば、残るは精製ラノリン(w/o型)と親水クリーム(o/w型)のみになります。ゴロで「バニーの親おわり」が浮かべば、親水クリームがo/w型と確定できます。厳しいところですね、でも手順を踏めば必ず解けます。




パターン②「軟膏基剤に関する記述の正誤を答えよ」


第94回・第108回などで出題されているタイプです。「親水ワセリンはo/w型の乳剤性基剤である」という誤り選択肢が頻出です。正しくは「親水ワセリンは水相を欠くw/o型の乳剤性基剤」です。名前の"親水"に引っ張られてo/w型と誤答するケースが多いと言われており、「セ〇ラさん幸せ」のゴロがここで活きます。




パターン③「乳剤性基剤と水溶性基剤の混合について」


これは臨床応用型の出題です。水溶性基剤と油中水型(w/o型)乳剤性基剤は混合できないことが基本知識となります。なぜなら、水溶性基剤と油性成分を混合すると界面活性剤のバランスが崩れ、分離が生じるためです。たとえば、ヒルドイドソフト軟膏(w/o型)をマクロゴール軟膏(水溶性)と混ぜると分離リスクがあります。混合は「水と水」「油と油」が原則、これだけ覚えておけばOKです。




国試での出題傾向を整理すると、分類問題では「一目でw/o型か、o/w型かを言えること」、記述問題では「水相を欠くグループ(親水ワセリン・精製ラノリン)を正確に答えられること」が最低限必要です。過去問を3〜5年分さかのぼって確認することを強くおすすめします。


参考資料:第108回薬剤師国家試験の乳剤性基剤問題の詳細解説はこちら。


薬学まとめました|第108回薬剤師国家試験 問53(o/w型乳剤性基剤)解説


乳剤性基剤のゴロを定着させる独自視点:「剤形名=基剤の型」は危険なワナ

ゴロで分類を覚えたあと、もう一歩深く理解しておくべき落とし穴があります。それが「製品名や剤形名から基剤の型を判断しようとする習慣」です。意外ですね。




マルホ社の皮膚外用剤の解説資料によると、製品名に「軟膏」とついていても乳剤性基剤(クリーム剤)の場合があり、「クリーム」とついていてもゲル基剤が使われている場合があります。たとえば「アクアチム軟膏」は油中水型クリーム(乳剤性基剤)ですし、「5-FU軟膏 5% 協和」は水中油型クリームです。製品名だけでは判別できません。これは痛いですね。




同様に、「名前で基剤の型を推測しない」という習慣が国試でも重要です。「バニシングクリーム」という名前から"w/o型かな"と思ってしまう学習者も一定数います。しかし正しくはo/w型で、塗ったあとに白い色が消える(vanish)ことからこの名前がついています。名前から内容を推測してしまうのが、ゴロなしで学習した場合の典型的な失点パターンです。




臨床現場においても、この「製品名と基剤の型の不一致」は重要な知識です。たとえばステロイド外用薬を処方する際、皮膚の状態(乾燥型か湿潤型か)に合わせて基剤を選ぶ必要がありますが、製品名から型を推定してしまうと選択を誤るリスクがあります。o/w型クリームは水洗い容易で乾燥感があり、w/o型クリームは皮膚保護効果が高いという違いを、製品ごとに確認する姿勢が求められます。添付文書で基剤を確認するのが原則です。




もし添付文書を確認する時間的な余裕がない場面では、製薬会社のメディカルインフォメーション部門へ問い合わせることが推奨されています。製薬会社の問い合わせ窓口は添付文書の巻末に記載されており、基剤の乳化型についても正式回答を得られます。これは有料でなく無料で利用できるサービスです。研修期間中の薬剤師にも広く開かれています。


参考資料:皮膚外用剤の基剤と剤形の関係、混合時の注意事項についての詳細な実務情報はこちら。