犬のローフード(生食)に興味を持っている人ほど、ある重大なリスクを見落としています。
ローフードとは、加熱処理を行わない生の食材を犬に与える食事法の総称です。 代表的な考え方として「BARF(Biologically Appropriate Raw Food)」があり、生肉・生骨・内臓・果物・野菜をバランスよく組み合わせて提供します。 犬の祖先であるオオカミの食生活に近づけることで、本来の栄養吸収力を活かすという考え方が根底にあります。
参考)apps/note/column/dog-rawfood-eat/">https://petfoodfactory.diara-plus.com/apps/note/column/dog-rawfood-eat/
つまりローフードとBARFは、ほぼ同義として使われることが多いです。 ただし「ローフード=生肉だけ」という理解は誤りで、内臓・骨・野菜の組み合わせが基本です。 特に骨には天然のカルシウムやリンが豊富に含まれており、ドッグフードに含まれる添加カルシウムとは性質が異なります。
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| 項目 | ローフード(BARF) | 一般ドッグフード(加熱処理済み) |
|---|---|---|
| 加熱処理 | なし(生のまま) | あり(高温加工) |
| 酵素・活性栄養素 | 豊富に残る | 加熱で一部失活 |
| 衛生リスク | 細菌・寄生虫リスクあり | 加熱で大部分が除去 |
| 消化への影響 | 犬の消化酵素を活かしやすい | 消化しやすく安定 |
| 栄養バランスの調整 | 飼い主の知識が必要 | 栄養基準に合わせて設計済み |
ローフードの最も注目すべきメリットのひとつが、炎症性腸疾患(IBD)リスクの低減です。 研究によると、子犬の時期からローフード習慣がある犬では、IBDの発症リスクが抑えられる傾向が報告されています。 IBDは遺伝的素因と腸内細菌の異常が複合した疾患であり、食事内容が腸内環境に大きく影響することが示唆されています。
参考)Instagram
これは意外ですね。 加工食品と腸疾患の関係は、人間でも議論されているテーマです。 犬においても同様のメカニズムが働いている可能性があります。
アレルギー体質の犬への効果も注目されています。 犬のアレルギーは特定の食材そのものよりも、加工過程や添加物に反応しているケースがあるとされています。 シンプルな構成の生食は「体の炎症スイッチを切りやすい食事法」として、アレルギー改善に取り組む飼い主の間で広まっています。
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ローフードを与えている犬は、無症状であっても菌を保有しているケースがあります。 国内で市販されていた犬用ローフード46検体のうち7検体(約15%)からサルモネラ属菌が検出されました。 これは「安全そうに見える市販品でも、約6〜7本に1本は汚染されている」という水準です。
参考)https://www.jpc.or.jp/animal/wp-content/uploads/2018/05/H29_yukawa.pdf
深刻なのは、犬が無症状でも飼い主に感染するリスクです。 人間がサルモネラ菌に感染すると、腹痛・嘔吐・下痢・粘血便・高熱・バラ疹・脾腫などの重篤な症状を引き起こします。 食器・排泄物・寝床との接触だけで感染が起こりうるため、ローフードを与えた後の手洗いや環境管理は必須です。
参考)生肉を主体とした犬向け市販食(ローフード)の安全性は?~病原…
海外ではグレーハウンドの育種施設で汚染されたローフードによるサルモネラ属菌の集団感染が報告されており、成犬だけでなく子犬が死亡した事例もあります。 これはリスクが高い話ですね。
参考)https://www.jpc.or.jp/animal/wp-content/uploads/2018/05/H29_yukawa.pdf
感染リスクを下げるための実践的なポイントをまとめると以下のとおりです。
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衛生管理の指針として、農林水産省や動物衛生研究機関の情報を確認しておくと安心です。
日本ペット栄養学会:国内犬用ローフードからのサルモネラ属菌検出に関する研究報告(PDF)
※上記リンクはローフードのサルモネラ菌検出データの原典論文です。給餌前のリスク確認に活用できます。
ローフードで最も難しいのが、栄養バランスの設計です。 生肉だけを与えていると、カルシウム・リン・ビタミンDなどが不足しやすく、骨格や歯の発育に影響が出ます。 BARFダイエットの基本構成では、肉・骨・内臓・野菜を一定比率で組み合わせるのが原則です。
参考)犬の生食(ローフード)とは?メリット・デメリットと始め方ガイ…
バランスが条件です。
一般的なBARFの配合比率の目安は以下のとおりとされています。
| 食材 | 割合の目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 筋肉肉(生肉) | 約70% | タンパク質・脂質の供給 |
| 生骨 | 約10〜15% | カルシウム・リン補給 jucom-de(https://jucom-de.com/barfseminar/) |
| 内臓(肝臓等) | 約5〜10% | ビタミンA・鉄分等の補給 |
| 野菜・果物 | 約10〜15% | 食物繊維・抗酸化物質 jucom-de(https://jucom-de.com/barfseminar/) |
アレルギーが気になる犬には、馬肉や鹿肉などの「新奇タンパク質(ノベルプロテイン)」を活用するのも有効です。 馬肉は低アレルゲンで消化吸収に優れており、お腹が弱い犬にも取り入れやすい素材です。 ローフードを始めるなら、亜鉛やオメガ3脂肪酸が不足しないよう、素材の組み合わせを意識することが重要です。
※上記リンクはイギリスの獣医師によるBARFセミナーの内容を日本語でまとめたページです。配合の考え方やリスク評価の参考になります。
ローフードに切り替える際は、いきなり全量を変えるのではなく、段階的に移行するのが基本です。 最初はスプーン1杯のトッピングから始め、数日かけて半量→全量へと移行します。 消化器系が慣れないうちに急に切り替えると、便が緩くなったり下痢が続くことがあります。
参考)犬の生食(ローフード)とは?メリット・デメリットと始め方ガイ…
段階的な移行が原則です。
特に医療や福祉の現場に関わる人が注意すべき点は、「犬のローフード=犬だけの問題ではない」ということです。 ローフードを食べた犬が菌を保有したまま人に接触し、医療従事者や免疫が低下した家族・患者に感染が広がるリスクがあります。 乾燥ドッグフードや犬用おやつからも感染が報告されている点も見落とせません。
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始める前に確認すべきチェックリストです。
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市販のローフード製品を選ぶ際は、製造工程でのHACCP管理や菌検査の実施状況を確認できるメーカーを選ぶと安心です。 国内では「HUGBOX」のように生食の安全設計・製造・教育を一貫して行うブランドも登場しています。 何を選ぶかより「どのように管理するか」のほうが重要です。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000151468.html
※上記リンクでは、国内産ローフードのサルモネラ菌検出データや、食材別の加熱・生食の判断基準について詳しく解説されています。
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