あなたの外用手技で頭皮病変が増えることがあります。
頭部乾癬でも治療の基本は外用療法です。
参考)外用療法(塗り薬)|どのような治療方法があるの?|乾癬の治療…
主力になるのはステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬、あるいはその配合外用薬です。
参考)https://www.leo-pharma.jp/media-center/news/2018-06-04
ここは他の部位と同じですが、頭皮は毛髪があるため「効く薬」だけでなく「塗れる形」が必要になります。
つまり剤形選びです。
軟膏が理論上よくても、毛が多い頭皮ではべたつきで継続率が落ちやすいです。
参考)乾癬 頭への外用薬 - ゆかみ先生の皮ふ科ブログ
そのため、ローション、ゲル、シャンプー様外用液のように、毛髪部へ到達しやすい剤形を選ぶだけで実際の治療成績が変わります。
2017年にはコムクロシャンプー、2018年にはドボベットゲルが国内で登場し、頭部乾癬を意識した外用の幅が広がりました。
結論は継続性です。
外用指導では「塗る量」より先に「どう塗るか」をそろえると現場でぶれません。
参考)乾癬を少しでもよくするために日常生活で気をつけるヒント集
乾癬ではこすった刺激で新しい病変が出るケブネル現象が知られており、薬をすり込む、洗髪時に強くこする、鱗屑をむしると悪化につながります。
このため、頭皮に線を引くように薬液を置き、指腹でやさしく広げる説明のほうが、単に「塗ってください」より伝わります。
やさしく広げるのが基本です。
頭皮ケアの参考です。外用のこすり込み回避やケブネル現象の説明が整理されています。
頭部病変で差が出るのは、成分差より剤形差という場面が少なくありません。
たとえばシャンプー様外用液は、洗髪前に頭皮へ塗布し、15分後に泡立てて洗い流す使い方です。
15分という数字が入るだけで、患者説明はかなり具体的になります。
意外にここで差が出ます。
一方、配合ゲルは1日1回で済み、毛髪部でも塗りやすく、べたつきが少ないという実務上の利点があります。
忙しい医療従事者の患者では、朝夕2回より夜1回のほうが守られやすく、結果として炎症の鎮静が早まることがあります。
はがきの横幅くらいの病変でも、髪をかき分けて複数列に分けないと有効成分が皮膚に届きません。
塗布経路の確保が条件です。
「フケに見えるから保湿だけ」で様子を見るのは危険です。
頭部乾癬は脂漏性皮膚炎や単なるフケと誤認されやすい一方、紅斑の境界、銀白色鱗屑、耳周囲や生え際への広がりが手掛かりになります。
ここで乾癬を疑えないと、受診や処方のタイミングが数週間から数カ月ずれ、掻破による悪化まで重なります。
疑った時点で皮疹全体を見ることですね。
頭部専用に近い外用の整理に役立つリンクです。製剤名と使い方が簡潔です。
外用でコントロールできない頭部乾癬では、光線療法が次の候補になります。
日本皮膚科学会の光線療法ガイドラインでは、ナローバンドUVBは乾癬で広く用いられ、十分な効果には週2回以上の照射が必要とされています。
週3回と週5回で大差がない一方、週2回では週3回より照射回数が1.5倍になると整理されています。
回数設計が大事です。
頭部は全身型照射では毛髪が遮光になりやすく、限局病変にはターゲット型光線療法が向く場面があります。
ガイドラインでも、頭部は膝、肘、爪囲などと並んでターゲット型光線療法が有用な部位として挙げられています。
308nmエキシマライトは通常のナローバンドUVBより照射回数を減らせる可能性があり、局所に残る頑固な局面で検討しやすい治療です。
頭部は局所照射と相性がいいです。
さらに、あまり知られていませんが、頭部の難治病変にはPUVAバス液をしみこませたタオルを巻く「ターバンPUVA」という報告もあります。
検索上位ではまず見かけない知識ですが、頭皮は毛髪が障害になるため、薬液接触の工夫そのものが治療技術になります。
ただしPUVAは回数増加に伴う皮膚発癌リスクが問題で、外用PUVAでは400回超、総照射量1,000J/cm2以上で約10%にボーエン病、日光角化症、基底細胞癌がみられたという国内データがあります。
無制限照射はダメです。
光線療法の詳細です。頭部へのターゲット照射、ターバンPUVA、回数制限の考え方が確認できます。
頭部は面積が小さくても、QOLへの打撃が大きい部位です。
落屑が肩に落ちる、整髪がしにくい、かゆみで睡眠が乱れる、といった問題はBSAだけでは拾い切れません。
そのため、面積が狭いから軽症と決めつけると、治療強化の機会を逃します。
参考)CareNet Academia
面積だけでは足りません。
ガイドライン上も、乾癬には生物学的製剤の使用ガイダンスやJAK阻害内服薬の使用ガイダンスが整備されています。
外用と光線療法で不十分、または生活影響が大きい場合には、全身療法を治療アルゴリズムの中で早めに検討する流れが現在の標準に近いです。
加えて、生物学的製剤は承認施設で開始される点も、実地での紹介判断に関わります。
紹介の見極めが原則です。
薬以外の支援も重要です。
たとえば、掻破や洗髪摩擦のリスクが高い場面では、狙いは刺激低減なので、低刺激の洗浄剤や保湿剤の選択肢を1つだけ具体的に案内するほうが行動に移りやすいです。
「何を避けるか」が曖昧だと続かないので、熱い湯、爪での洗髪、タオルの強擦をメモしてもらうだけでも効果があります。
刺激回避に注意すれば大丈夫です。
頭部乾癬の診療で見逃したくないのは、皮膚より先に治療方針を変えるべきサインが関節に出ることです。
乾癬患者の約14~15%に乾癬性関節炎があるという報告があり、皮膚症状だけに集中すると関節症状の拾い上げが遅れます。
頭皮病変の再燃を「外用不足」だけで片づけない視点が必要です。
意外な落とし穴ですね。
問診では、朝のこわばり、指の腫れ、踵の痛み、爪変化を短く確認するだけで変わります。
関節症状があれば、塗り薬は皮膚には効いても関節には効かないため、治療の主戦場が最初から違うということです。
ここを外すと、数カ月単位で適切な全身療法への移行が遅れます。
皮膚だけ見ないことですね。
日本皮膚科学会の一般公開ガイドライン一覧です。乾癬関連ガイダンスの入口として使えます。