フケの種類を間違えてケアすると、症状が2倍以上悪化することがあります。
フケの種類を正確に見分けるには、フケそのものの外見と頭皮の状態を複数の角度から照らし合わせることが有効です。最初に確認すべきは「色」と「質感」で、白くパラパラと肩に落ちるものが乾性フケ、黄色がかっておりベタついた大きめの塊が髪の根元に貼り付くのが脂性フケです。
頭皮を軽く触れて確認することも判別に役立ちます。指先に皮脂がほとんど付かずカサついた感触なら乾性タイプ、指先が明らかにベタつく場合は脂性タイプの可能性が高いといえます。
| チェック項目 | 乾性フケ | 脂性フケ |
|---|---|---|
| フケの色 | 白色 | 黄白色〜黄色 |
| フケの質感 | サラサラ・パラパラ | ベタベタ・湿っている |
| フケの大きさ | 細かい粉状 | 大きめのフレーク状 |
| 付着する場所 | 肩口・衣類に散る | 髪の根元・頭皮に張り付く |
| 頭皮の状態 | 乾燥してカサつく | 脂っぽくテカる |
| かゆみの程度 | 軽度〜中程度 | 中程度〜強い |
| 悪化しやすい季節 | 秋〜冬の乾燥期 | 夏場や高湿度の時期にも発生 |
見分けが難しいケースもあります。乾性フケと脂性フケが同時に混在する「混合型」は珍しくありませんし、頭頂部は脂性・生え際は乾性という部位ごとの違いが生じることもあります。そのような場合は、最も症状が強い部位を優先して判断するか、皮膚科での頭皮チェックを検討するのが確実です。
フケの種類は頭皮の皮脂分泌量が分岐点です。研究では、1日あたりの皮脂分泌量が1〜2gを超えると脂性フケを生じやすく、逆に洗浄力の強いシャンプーを毎日使い続けることで乾性フケが誘発されることが報告されています(参考:skinrefine.jp)。つまり、フケの種類はその日のシャンプーの選択次第でも変動しうるということです。これは重要なポイントですね。
種類が1つ特定できればOKです。それだけで対策の方向性が大きく絞り込めます。
参考:フケの種類の詳細な比較と皮脂量の観点からの分類について解説されています。
フケの種類は2つ!乾性フケと脂性フケの見分け方・原因・対策(skinrefine.jp)
乾性フケと脂性フケは、見た目だけでなく発生メカニズムが根本から異なります。原因を正確に把握することが、的外れなケアで症状を悪化させるリスクを防ぐ第一歩です。
乾性フケが生じる背景にあるのは、頭皮の皮脂膜の消失による保湿力の低下です。角質層のバリア機能が弱まると経皮水分蒸散量が増え、頭皮の乾燥が慢性化します。その結果、未熟な角質細胞まで剥がれ落ちて白い粉状のフケが大量発生します。代表的な誘因は以下のとおりです。
一方、脂性フケには「マラセチア菌」という頭皮常在の酵母様真菌が深く関与しています。マラセチア菌は皮脂を栄養源として増殖し、リパーゼという酵素で皮脂中のトリグリセライドを分解します。その際に産生されるオレイン酸などの遊離脂肪酸が頭皮を刺激し、角化細胞の分化を乱すことでターンオーバーが異常に亢進、大きな塊のフケが大量に剥がれ落ちます。
脂漏性皮膚炎の方の頭皮では、健康な方の50倍以上のマラセチア属真菌が検出されることが報告されています(参考:持田ヘルスケア)。50倍というのは、まちがいなく「菌が暴走している」状態といえます。
脂性フケの誘因には食生活の乱れ(脂質・糖質の過多)、睡眠不足、慢性的なストレスによるホルモンバランスの乱れなども含まれます。また洗浄力が高すぎるシャンプーが逆に皮脂の過剰分泌を招くという悪循環も知られています。それだけが原因とは限りません。
参考:マラセチア属真菌とフケ症・脂漏性皮膚炎の関係について詳しく解説されています。
フケの種類を見分けた後の最重要ステップが、シャンプーの選択です。種類を間違えたシャンプーを使い続けることが、症状改善を妨げる最大の原因の一つになっています。
乾性フケへの対策として適切なのは、頭皮に必要な皮脂を残しつつ汚れだけを落とせるアミノ酸系シャンプーです。アミノ酸系は弱酸性で刺激が少なく、頭皮のバリア機能を守りながら洗い上げる特性があります。さらに洗髪後にスカルプ用の保湿ローションを頭皮に直接塗布し、水分の蒸散を防ぐことが乾性フケの悪循環を断ち切るポイントです。
脂性フケへの対策として中心となるのは、マラセチア菌の増殖を抑える抗真菌成分配合のシャンプーです。有効成分はミコナゾール硝酸塩、ピロクトンオラミン、ケトコナゾール(医薬品)などが代表的で、症状の重さに応じて選択します。
シャンプー選び以上に重要なのが「正しい洗い方」です。泡立てずに頭皮に直接つける、爪を立てゴシゴシ洗う、すすぎが不十分で成分が残るといった行為は、フケの種類を問わず頭皮状態を悪化させます。指の腹でマッサージするように洗い、ぬるま湯で成分が残らないよう十分すすぐことが基本です。
参考:脂漏性皮膚炎を前提としたベタつくフケへの正しいシャンプー選びが解説されています。
脂漏性皮膚炎かも?ベタつくフケの原因と正しいシャンプーの選び方(大垣市医師会)
フケの種類を見分ける際、見落とせないのが「フケに見える皮膚疾患」との鑑別です。医療従事者として患者さんに接する際にも、単なるフケ症か皮膚疾患かを適切に判断することが重要な場面があります。
脂漏性皮膚炎は脂性フケと最も混同されやすい疾患で、頭皮・眉間・鼻翼などの皮脂腺が密集した部位に出現します。脂性フケとの違いは「炎症の有無」で、頭皮の明らかな赤みやただれ、強いかゆみを伴う場合は脂漏性皮膚炎の可能性を考慮する必要があります。治療にはステロイド外用薬や抗真菌薬(ケトコナゾール外用)が使用されます。
| 疾患名 | フケの特徴 | 鑑別ポイント |
|---|---|---|
| 脂漏性皮膚炎 | 黄色がかったベタつくフケ | 赤み・炎症を伴う。皮脂腺密集部位に出現。マラセチア菌関与。 |
| 乾癬(頭皮) | 銀白色の厚い鱗屑(りんせつ) | 境界鮮明な紅斑上に厚く堆積。ケブネル現象あり。肘・膝にも出現することが多い。 |
| 頭部白癬(しらくも) | 鱗屑+脱毛 | 皮膚糸状菌による真菌感染。小児に多い。患部周辺の脱毛を伴う。 |
| アトピー性皮膚炎(頭皮) | 乾燥した細かいフケ | 強い痒みと慢性・反復性の経過。他部位にも湿疹あり。 |
特に注意すべきは乾癬との鑑別です。乾癬のフケ(鱗屑)は銀白色で通常より分厚く、境界がくっきりとした紅斑の上に積み重なるように付着します。通常28日のターンオーバーサイクルが4〜5日にまで短縮されることが確認されており、これが大量の厚い鱗屑を生み出す根本原因です。日本国内の乾癬患者数はおよそ10万〜20万人と推定されており、決して珍しい疾患ではありません。厳しいところですね。
フケと似た症状でも、強いかゆみや出血・頭皮の赤みが続く場合は皮膚科受診が必須です。自己判断で市販のシャンプーを試し続けることが、疾患の発見を遅らせるリスクにつながります。
参考:頭皮乾癬と脂漏性皮膚炎の鑑別ポイントが詳述されています。
フケの種類が特定できたら、シャンプーの選択と同時に生活習慣からのアプローチも欠かせません。局所的なケアだけでは再発を繰り返すケースが多く、体内環境の整備が根本的な改善につながります。
乾性フケを予防・改善するために特に重要なのは、頭皮の保湿力を高める内側からの対策です。セラミドやオメガ3脂肪酸(魚油・亜麻仁油)の摂取が角質層のバリア脂質の補充を助け、皮膚の保水力の維持に寄与することが知られています。また十分な睡眠(成長ホルモンの分泌促進)と、冬場の加湿器による室内湿度管理(40〜60%が目安)も有効な手段です。
脂性フケを改善する観点では、皮脂分泌のコントロールと腸内環境の整備が鍵を握ります。脂質・糖質の多い食事が続くと皮脂合成が活発になるため、ビタミンB2・B6を豊富に含む食品(レバー・卵・青魚・緑黄色野菜など)を意識的に取り入れることが、皮脂バランスを整えるうえで有用です。これは使えそうです。
洗髪頻度については、乾性フケの場合は1日1回を限度に、脂性フケの場合も1日1回の洗髪で皮脂を適切に除去することが基本です。「毎日洗うのがよくない」という誤解が根強く残っていますが、脂性フケの場合は毎日洗髪して皮脂の蓄積を防ぐことが、マラセチア菌の過増殖抑制につながります。毎日洗髪しても問題ありません、ただし「正しい洗い方」が条件です。
フケが改善しない場合には、セルフケアへのこだわりを捨てて皮膚科を受診する判断も重要なスキルです。特に症状が3〜4週間以上続いたり、強いかゆみ・炎症が加わった場合は、脂漏性皮膚炎への移行を疑い、早期に専門医による診断と治療(抗真菌外用薬・ステロイド外用薬など)を受けることが推奨されます。フケの種類の正しい見分け方は、治療の第一歩です。
参考:フケに影響するストレスと皮脂分泌の関係について詳しく掲載されています。
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