即時型アレルギーへの効果だけを期待すると、治療の選択を誤る可能性があります。
グリチルリチン酸二カリウム(以下、GK2)は、マメ科植物の甘草(カンゾウ)の根に含まれる「グリチルリチン酸」にカリウム塩を付加し、水溶性を高めた成分です。 化学構造がステロイド性抗炎症成分に類似していることから、刺激が少ないながらも優れた抗炎症作用を持つとされています。 この特性が、点眼薬・かぜ薬・鼻炎用薬など幅広い医薬品への配合を可能にしています。
参考)http://www.pref.kagoshima.jp/ae10/documents/110200_20231210161011-1.pdf
点眼薬における配合濃度は一般的に0.25%が標準です。 市販のアレルギー用点眼薬や抗菌点眼薬など、複数のカテゴリで使用されています。これが基本です。
参考)https://www.kyorin-rmd.co.jp/product/healthcare/RUIBEE-AG.html
主な薬理作用は2つに整理できます。
参考)【成分解説】グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用とは
参考)【成分解説】グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用とは
2つの機序が同時に働くため、炎症制御とアレルギー症状緩和を同時に期待できるということですね。
参考:甘草由来成分の薬理作用と各製品への配合情報
大正健康ナビ:グリチルリチン酸二カリウムの作用と特徴
意外ですね。一般には即時型アレルギーへの効果が強調されがちですが、GK2の真の強みは「持続的炎症」の制御にあります。
この2つの成分の役割分担を整理すると次のようになります。
| 成分 | 主な作用ターゲット | 抑制メカニズム |
|---|
参考:GK2とPPFの作用メカニズム比較(ロート製薬研究発表)
臨床現場では、GK2単独で配合された点眼薬よりも、他の抗アレルギー・抗ヒスタミン成分と組み合わせた製剤が主流です。GK2は「持続的炎症」に強く、クロモグリク酸ナトリウムなどの抗アレルギー成分は「アレルゲン感作の初期段階」に、クロルフェニラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン成分は「即時型症状(かゆみ・充血)」に効きます。
参考)サンテ抗菌新目薬
これは使えそうです。それぞれの作用フェーズを意識することが、患者への説明精度を高めます。
代表的な組み合わせ例を以下にまとめます。
参考)眼涼アルファーストEX|商品情報|商品別(薬効別)|久光製薬
参考)https://www.kyorin-rmd.co.jp/product/healthcare/RUIBEE-AG.html
参考)アイリスAGガード
花粉シーズン終盤、炎症が遷延している患者に対してはGK2配合製剤を優先選択する判断根拠を患者に説明できるのは、医療従事者ならではの強みです。GK2が持続型に強いという知識が条件です。
GK2配合点眼薬は安全性が高い成分ですが、いくつかの使用制限を臨床上把握しておく必要があります。まず、緑内障と診断されている患者への一般用点眼薬(OTC)の使用は禁忌です。 これは成分の問題よりも製品設計上の制限ですが、患者への指導では明示が必要です。
参考)otc/K00170164464_20220302.pdf">https://www.data-index.co.jp/drugdata/pdf/otc/K00170164464_20220302.pdf
「激しい目の痛み」が主訴の場合は、OTC点眼薬の使用を勧めず受診を促すことが原則です。
参考)https://www.data-index.co.jp/drugdata/pdf/otc/K00170844080_20151215.pdf
また、以下の点に注意が必要です。
参考)【第2類医薬品】マリンアイALG(1個): メガネ・目薬・コ…
参考)https://www.data-index.co.jp/drugdata/pdf/otc/K00170164464_20220302.pdf
コンタクトユーザーへのOTC推薦時は「防腐剤フリー設計かどうか」を確認する一手間が重要です。これに注意すれば問題ありません。
GK2は点眼薬に限らず、スキンケア製品や口腔用薬など幅広い分野で使われていますが、目薬の文脈でもあまり知られていない活用シーンがあります。それは「アレルギー性結膜炎以外の炎症性眼疾患でのOTC使用」です。 眼瞼炎(まぶたのただれ)、雪目(紫外線性眼炎)、ほこりや汗が目に入った後の炎症など、感染以外の物理的・化学的刺激による炎症にも、GK2の抗炎症・消炎作用が活きます。
参考)https://saga-pharm.co.jp/pages/11?detail=1&b_id=25&r_id=38
GK2が持続的炎症に強い成分だということですね。この特性は、花粉症シーズン以外でも年間を通じて活用場面があることを意味します。
また、薬剤師・医師が患者指導に活かせるポイントとして以下が挙げられます。
参考)知ってトクするくすりの話『植物から花粉症を抑える目薬を開発』
患者が「また市販の目薬でいいや」と自己判断して遷延させているケースでも、GK2の効果範囲を正確に伝えることで、適切な受診行動や薬剤選択につなげられます。これが医療従事者にとっての知識的優位性です。
参考:GK2を含む植物由来点眼成分の解説
知ってトクするくすりの話:植物から花粉症を抑える目薬を開発
参考:GK2の抗炎症・抗アレルギー作用の詳細解説
グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用とは(成分解説)
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