実は、オイルインウォーターを安易に選ぶと在宅患者さんの自己負担が3倍に跳ね上がることがあります。
O/W型クリームは、外相が水であるため、汗や水で比較的容易に流れ落ち、頻回の手洗いやシャワーを行う職種では塗り直し回数が増える傾向があります。 例えば、1日10回以上アルコール手指消毒と手洗いを繰り返す看護師では、O/W型ハンドクリームだけでは保護効果が1~2時間で低下し、結果として1勤務あたり5~6回の再塗布が必要になるという観察もあります。 この再塗布回数の多さは、忙しい外来・病棟業務の中では現実的に実行しにくく、結果として「処方はあるが使われていない」外用剤を生みます。つまり時間ロスです。 vizorsun(https://www.vizorsun.com/ja/%E6%B0%B4%E4%B8%AD%E6%B2%B9%E5%9E%8B%EF%BC%88o-w%EF%BC%89%E3%81%A8%E6%B2%B9%E4%B8%AD%E6%B0%B4%E5%9E%8B%EF%BC%88w-o%EF%BC%89%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84/)
一方、O/W型の利点として、角層からの水分蒸散(TEWL)を極端に抑制しないため、汗疹や痱子になりやすい乳幼児や、高温多湿環境で働く医療従事者にとっては快適な使用感を維持しやすい点があります。 また、水ベースであることから、油性成分が多いW/O型に比べ皮脂の多い顔面や前胸部に用いても毛孔閉塞を起こしにくく、ニキビ傾向のある患者にも選びやすい基剤です。 乾燥とニキビが混在する思春期のアトピー性皮膚炎患者にとっては、O/W型の選択が「かゆみを抑えながらも、ニキビを悪化させない」バランスをとる鍵になります。 結論はバリアと快適性のバランスです。 derm-hokudai(https://www.derm-hokudai.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/6-01.pdf)
乳剤性基剤の理解においては、「主薬の放出性」を無視できません。 O/W型では水を連続相としているため、多くの親水性薬物では油脂性基剤に比べて放出性が高く、同じ含量でも皮膚表面への薬物到達が早い場合があります。 例えば、抗生物質外用剤や一部の角質溶解成分を含む製剤では、O/W基剤にすることで、外用開始から数時間以内の症状軽快度が向上することが報告されています。 この「立ち上がりの速さ」は、外来初診時の満足度に直結し、再診率や紹介率にも影響し得ます。 つまりO/Wは「初動の速さ」が武器ということですね。 midori-hp.or(https://midori-hp.or.jp/pharmacy-blog/web19_7_04/)
油中水型(W/O型)は、油相が連続相でその中に水滴が分散した構造を持ち、コールドクリームなどに代表されます。 この構造により、W/O型はO/W型に比べて耐水性が高く、汗や水に触れても容易には流れ落ちないため、日焼け止めやウォータープルーフファンデーション、長時間保護を要する外用保湿剤に採用されています。 例えば、ある薬局チェーンが薬剤師983名を対象に開発したW/O処方のハンドクリームでは、「たっぷり塗った直後でもサラサラとした感触」「水やお湯に触れてもしっとり感が持続する」という評価が得られており、医療現場の手洗い環境にフィットすることが示されています。 耐水性と保護力の両立がポイントです。 cosme-science(https://cosme-science.jp/3000cosmetics/3020surfactant/3020a.html)
W/O型は、油相が多い分だけ経表皮水分蒸散を強く抑制し、皮膚表面に「見えない油性フィルム」を形成します。 これにより、角層バリアが低下した慢性病変(例えば下腿の乾燥性湿疹や高齢者のドライスキン)では、O/W型に比べて皮膚の水分保持が長く維持されることが多く、1日1~2回塗布でもかゆみのコントロールが可能になるケースがあります。 例えば入浴後30分以内にW/O型保湿剤を使用した場合、角層水分量が8時間後もベースラインより高値を維持したという報告があり、夜間の掻破を減らす意味でも有用です。 つまり夜間のQOL改善です。 kirishima-mc(https://kirishima-mc.jp/data/wp-content/uploads/2023/04/56c52eba010655654ec6f8d35e110a62.pdf)
一方で、同じ「保護力」が、浸出液が多い創傷面ではデメリットになります。 乳剤性基剤(O/W・W/O)はいずれも吸水性を持つため、びらん面には原則として水溶性基剤が推奨され、W/O型を浸出液の多い潰瘍面に長期使用すると、浸出液の滞留や感染リスクの増加につながる可能性があります。 特に在宅医療で創傷ケアを行う場合、ドレッシング材に比べて薬価は安くても、W/Oを誤用することで創傷治癒が遅延し、結果として2週間あたりの在宅ドレッシング材コストが推奨薬の約3.5倍(695円 vs 2,464円)になるという報告もあり、基剤選択のミスが直接的な自己負担増加につながる事例と言えます。 コスト面のインパクトが大きいということですね。 kanri.nkdesk(https://kanri.nkdesk.com/hifuka/hosi1.php)
W/O型を上手く使うためには、「どの部位に」「どの生活パターンの患者に」用いるかを整理する必要があります。 例えば、夜間はW/O型を下腿・腰背部など衣類で隠れる部位に、日中はO/W型を露出部に使い分けることで、べたつきによる不快感と保護力を両立できます。 医療従事者自身の手荒れ対策でも、勤務前にW/O型をたっぷり塗布し、休憩中や勤務後にO/W型で塗り心地を補う「二層戦略」を提案することで、1日トータルの塗布回数を3~4回に抑えつつ、手荒れとべたつきの両方をコントロールできます。 つまり場面ごとのハイブリッド運用が鍵です。 aisei.co(https://www.aisei.co.jp/news/information/25697793990/)
外用基剤の選択は、一見すると「使用感の好み」に過ぎないように見えますが、実際には診察時間や医療コストに直結しています。 例えば、O/W型のクリームは塗布感が良く、患者への説明も短時間で済むため、初診外来での「定型トーク」を1~2分で終えられますが、湿潤面に不適切に処方した場合、マセレーション悪化による再診・処方変更が必要になり、結果として1症例あたりトータル5~10分の追加診療時間を要することがあります。 時間のロスですね。 kanri.nkdesk(https://kanri.nkdesk.com/hifuka/hosi1.php)
在宅医療の現場では、基剤選択ミスが患者の自己負担額を大きく変えます。 推奨薬が2週間あたり695円で済むのに対し、ドレッシング材を選択すると2,464円と約3.5倍のコストがかかるというデータが示すように、浸出液の多寡に応じて水溶性基剤・O/W・W/O・ドレッシング材を使い分けるだけで、年間数万円規模の自己負担差が生じ得ます。 特に高齢単身世帯では、月数千円の差が服薬アドヒアランス低下の引き金になり、結果として再燃や入院リスクの増加につながることを考えると、基剤の選択は「経済的予後」の一部と捉えるべきです。 結論は費用対効果の視点が不可欠です。 mhlw-grants.niph.go(https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2005/057011/200500271B/200500271B0006.pdf)
医療従事者自身の手荒れ対策においても、O/WとW/Oの選択は勤務効率に影響します。 先述のW/O処方ハンドクリームの例では、薬剤師983名がモニターとなり、「水やお湯に触れてもしっとり感が持続する」ことから、手洗い・消毒が多い勤務でも塗布回数を従来の半分以下にできたという声が報告されています。 例えば、従来O/W型クリームを1勤務あたり8回使用していた看護師が、W/O型に変更することで4回に減らせたとすると、1回あたり30秒の塗布時間として1日2分の時間短縮になり、月20勤務で約40分の業務時間を間接的に削減できます。 つまり小さな時短の積み重ねです。 vizorsun(https://www.vizorsun.com/ja/%E6%B0%B4%E4%B8%AD%E6%B2%B9%E5%9E%8B%EF%BC%88o-w%EF%BC%89%E3%81%A8%E6%B2%B9%E4%B8%AD%E6%B0%B4%E5%9E%8B%EF%BC%88w-o%EF%BC%89%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84/)
診察室では、「どの基剤を選ぶか」の前に、「患者の生活パターンをどこまで具体的に聞けているか」が重要です。 1日何回入浴・シャワーをするのか、仕事での手洗い回数は1日何回か、エアコン環境かどうかといった具体的な質問を3つ程度加えるだけで、O/WとW/Oの適合性が大きく変わるからです。 例えば、工場勤務で油汚れと水洗いが多い患者には、作業前にW/O型で保護膜を作り、作業後にO/W型で洗浄後の保湿を行うという組み合わせが合理的です。 つまり生活背景の聞き取りが条件です。 juntsu.co(https://www.juntsu.co.jp/qa/qa1606.php)
こうした時間・コスト・アドヒアランスの観点から、院内の処方方針として「乾燥主体には原則O/W、強い乾燥・摩擦にはW/O、浸出液優位には水溶性基剤」という大枠を共有しておくことが有用です。 さらに、電子カルテのテンプレートに「入浴頻度」「手洗い回数」「就寝時間」といった項目を1行追加し、基剤選択のチェックリストに紐付けることで、若手医師や研修医でも迷わず外用剤を選べるようになります。 こうした仕組み化は、医師だけでなく看護師・薬剤師にも共有されることで、チームとしての外用療法の質を底上げできます。 つまり組織的な標準化が鍵です。 midori-hp.or(https://midori-hp.or.jp/pharmacy-blog/web19_7_04/)
日常診療では、「とりあえずクリームならO/W型で無難」という思い込みから、皮膚状態にそぐわない基剤が処方されることがあります。 例えば、浸出液を伴う湿疹・びらんにO/W型やW/O型を継続使用すると、乳剤性基剤が持つ吸水性により浸出液を過剰に保持し、マセレーションを悪化させることがあります。 さらに、その状態にドレッシング材を重ねると、先述のように2週間あたりのコストが推奨薬の約3.5倍に膨らむだけでなく、交換頻度の増加で介護者の負担も増します。 つまり「無難な選択」がトータルでは損になるということですね。 mhlw-grants.niph.go(https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2005/057011/200500271B/200500271B0006.pdf)
一方、W/O型の強い保護力を頼りに、汗をかきやすい部位(腋窩、鼠径部、乳房下など)に長期使用すると、局所の温度と湿度が高まり、汗疹やカンジダ性間擦疹のリスクが上昇します。 特に高温多湿の季節や、24時間空調が効いた病院内でも長時間立ち仕事をする看護師では、仕事中の発汗量が多く、W/O型を塗布した部位での不快感が強くなりやすいです。 こうした場合は、「日中はO/W型、就寝前のみW/O型」のように時間帯で使い分けることで、保護力と快適性のバランスを取りやすくなります。 つまり時間帯ごとの工夫が原則です。 derm-hokudai(https://www.derm-hokudai.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/6-01.pdf)
リスク回避のコツとしては、以下のような「場面→狙い→基剤」の順で頭の中を整理すると便利です。 kirishima-mc(https://kirishima-mc.jp/data/wp-content/uploads/2023/04/56c52eba010655654ec6f8d35e110a62.pdf)
このように、「患者がどの場面でどのような行動をしているか」を具体的にイメージしながら基剤を選ぶことで、誤用とそれに伴うコスト・時間・健康リスクを減らすことができます。 つまり生活シーンの想像力が条件です。 aisei.co(https://www.aisei.co.jp/news/information/25697793990/)
ここまでO/W型とW/O型を対立する選択肢として扱ってきましたが、実臨床では「組み合わせて使う」視点が有用です。 例えば、資生堂などの化粧品メーカーは、高圧乳化機を用いて油と水の界面張力を下げ、微細な乳化粒子を作ることで、軽い使用感と高い保湿力を両立した処方を開発しています。 医療用外用剤でも、O/Wベースに一部W/O性の層を持たせる「多層乳化」技術を応用することで、塗布直後はさっぱり、時間が経つとしっとりという二段階の触感を持つ製剤設計が可能になります。 つまりハイブリッド設計という発想です。 corp.shiseido(https://corp.shiseido.com/jp/rd/development/material/formulation.html)
臨床現場で実践しやすい「組み合わせ」の一例として、以下のような使い分けが考えられます。 midori-hp.or(https://midori-hp.or.jp/pharmacy-blog/web19_7_04/)
このような「層構造」を意識した塗り方を患者に説明することで、同じ処方内容でも実際のバリア機能改善と症状コントロールが大きく変わってきます。 つまり塗り方のデザインが重要です。 kanri.nkdesk(https://kanri.nkdesk.com/hifuka/hosi1.php)
また、医療従事者の手荒れ対策においても、単一基剤ではなく「勤務前W/O+勤務中O/W+勤務後集中的W/O」という三相構造で考えると、手荒れの再燃を抑えながら、業務中のべたつきストレスを減らせます。 例えば、勤務前にW/O型を指先から手首までしっかり塗布し、勤務中はポケットに入るミニサイズのO/W型を用意して、手洗い後にさっと薄く塗るだけにしておくと、1回あたりの塗布時間を10秒程度に短縮できます。 勤務後は、夜間のバリア回復を目的に少し厚めにW/O型を塗り、綿手袋を併用することで、翌朝のひび割れリスクを減らすことができます。 こうした「時間軸での組み合わせ」は、患者指導にも応用可能です。 vizorsun(https://www.vizorsun.com/ja/%E6%B0%B4%E4%B8%AD%E6%B2%B9%E5%9E%8B%EF%BC%88o-w%EF%BC%89%E3%81%A8%E6%B2%B9%E4%B8%AD%E6%B0%B4%E5%9E%8B%EF%BC%88w-o%EF%BC%89%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84/)
処方設計の面では、O/W型とW/O型それぞれに適した主薬を組み合わせることで、同じ疾患でも季節や生活環境に応じた「パーソナライズド外用療法」が実現します。 例えば、冬季のアトピー性皮膚炎では、夜間用としてW/O基剤のステロイド軟膏、日中用としてO/W基剤の保湿剤やプロアクティブ治療薬を併用することで、ステロイド使用量を抑えつつ、かゆみとドライスキンをコントロールしやすくなります。 さらに、化粧下地や日焼け止めが必須の患者では、O/W型の日中用保湿剤をベースに、上からW/O型の日焼け止めを重ねることで、メイクアップと治療を両立しやすくなります。 結論は「O/WかW/Oか」ではなく「O/WもW/Oも」の発想です。 corp.shiseido(https://corp.shiseido.com/jp/rd/development/material/formulation.html)
オイルインウォーターとウォーターインオイルの基礎をさらに深く学ぶには、皮膚外用剤の基剤に関する専門的な解説が役立ちます。 例えば、マルホの「剤形からみた基剤の分類と特徴」では、水溶性基剤・乳剤性基剤・油脂性基剤を水と油の観点から整理しており、日常診療での基剤選択の考え方が分かりやすく解説されています。 また、管理薬剤師向けサイトや病院薬剤部のDIニュースでは、乳剤性基剤が湿潤面に不向きであることや、O/W型・W/O型の適応範囲が具体的に記載されており、現場での判断材料として有用です。 こうした資料を一度読み込んでおくと安心です。 derm-hokudai(https://www.derm-hokudai.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/6-01.pdf)
基礎から臨床応用までを俯瞰したい場合は、大学皮膚科の教科書や講義資料(例えば北海道大学皮膚科の治療学資料など)が参考になります。 そこでは、O/W型乳剤性軟膏とW/O型乳剤性軟膏の構造図や、バニシングクリームとコールドクリームの違いが図解されており、頭の中でイメージしやすくなります。 さらに、化粧品科学の解説サイトでは、O/W型がさっぱりした使用感で乳液・クリームに多用され、W/O型が日焼け止めやウォータープルーフ製品に向く理由が、界面活性剤や乳化粒子の観点から説明されています。 つまり基礎から応用まで一気通貫で理解できます。 cosme-science(https://cosme-science.jp/3000cosmetics/3020surfactant/3020a.html)
臨床でのコストや在宅自己負担の観点を押さえるには、創傷ケアや在宅医療の研究報告が参考になります。 推奨薬とドレッシング材の2週間あたりのコスト差(695円 vs 2,464円)など、具体的な数字を把握しておくことで、患者・家族に説明する際の説得力が高まります。 また、医療従事者向けのハンドクリーム開発事例では、W/O型処方がなぜ現場で支持されたのか、その背景にある「耐水性」「しっとり感の持続」「塗布回数削減」といった要素が記載されており、自身の手荒れ対策や患者指導にも活かせます。 数字と現場感の両方が重要ということですね。 aisei.co(https://www.aisei.co.jp/news/information/25697793990/)
オイルインウォーター・ウォーターインオイルの理解を深めたい方は、以下のような資料が特に参考になります。
外用基剤の分類とO/W・W/Oの特徴が整理された解説です(基剤選択の基本を学ぶ際に有用)。
O/W型とW/O型の構造図や、バニシングクリーム・コールドクリームの違いが図解されています(治療学として体系的に学ぶ際に便利)。
北海道大学皮膚科 治療学資料(6章 皮膚外用剤と基剤)
浸出液と基剤選択、ドレッシング材とのコスト比較など、在宅医療の視点を含む資料です(コストと基剤選択の関係を確認する部分に最適)。
在宅創傷ケアにおける推奨薬とドレッシング材のコスト比較報告
医療従事者の意見をもとに開発されたW/O処方ハンドクリームの紹介です(W/O型が現場でどのように評価されているか知るのに役立つ資料)。
アイセイ薬局マンスリーレポート:薬剤師983名と開発したW/O処方ハンドクリーム
化粧品分野から見たO/W型・W/O型エマルションの特徴と応用が整理されています(乳化構造の応用範囲を広く知る際に有用)。
お肌とコスメの科学:乳化(O/W型とW/O型の違い)
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