「デュピルマブで痒疹が完全に治る患者は、実は全体の約40%にとどまります。」
痒疹(ようしん)は、慢性的な強いかゆみを伴う結節性・丘疹性の皮膚疾患です。一般的なアトピー性皮膚炎と混同されることが多いですが、病態・治療方針は異なります。専門性が高い医師に診てもらうかどうかで、治療の長さが大きく変わります。
名医を見極めるための基準は、大きく3つあります。
開業医でも優れた医師はいますが、難治性の痒疹の場合は大学病院や基幹病院への紹介を早期に検討すべきです。これが原則です。
特に注目したいのが、「かゆみ外来」や「慢性痒疹外来」を設けている施設です。東京大学医学部附属病院や慶應義塾大学病院、大阪大学医学部附属病院などは専門的な診療体制を整えており、難治例の受け入れ実績があります。
上記リンクから地域の認定専門医を検索できます。紹介先を選ぶ際の第一歩として活用してください。
専門医資格だけで名医かどうかは判断できません。「何件の痒疹患者を診てきたか」「最新の診療ガイドラインをどう実践に落とし込んでいるか」という実績・姿勢が重要です。つまり経験と最新知識の両立が条件です。
痒疹の診断で最も難しいのは、類似疾患との鑑別です。これを誤ると治療が数ヶ月単位で遅れます。痛いですね。
鑑別すべき主な疾患は以下の通りです。
特に高齢者施設での診療では、疥癬の見逃しが集団感染につながるリスクがあります。皮膚生検と皮膚鏡検査(ダーモスコピー)の活用が、正確な診断への近道です。これは必須です。
結節性痒疹の確定診断には、皮膚生検による組織学的確認が推奨されます。表皮の不規則な肥厚(疣贅状増殖)と真皮上層の炎症細胞浸潤が特徴的な所見です。
診断の精度を上げるためには、患者の「掻破歴・発症時期・既往歴」の丁寧な問診が欠かせません。どういうことでしょうか?皮膚所見だけでなく、内科的背景(糖尿病・慢性腎臓病・HIV感染など)が痒疹の背景に潜んでいることがあるからです。
日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021(鑑別診断の参考)
上記ガイドラインの鑑別診断の項は、痒疹を疑う際にも参照価値があります。紹介状を書く前に確認しておくと、紹介先との連携がスムーズになります。
2022年以降、痒疹治療は大きく変わりました。デュピルマブ(商品名:デュピクセント)が結節性痒疹への適応を取得し、難治例への選択肢が広がったからです。
デュピルマブの主要な臨床試験「LIBERTY-PN PRIME」では、16週時点でかゆみスコア(NRS)が4点以上改善した患者の割合が約60%に達しました。これは使えそうです。ただし、全員に効くわけではありません。反応しない約40%の患者への次の手を用意しておくことが名医の条件です。
2024年には、IL-31受容体αを標的とするネモリズマブ(商品名:フィルゴチニブとは別系統・アトピー/痒疹向け)の適応拡大も進んでいます。
薬物療法だけで完結する治療は少ないです。掻破行動そのものへのアプローチ(習慣逆転法・認知行動療法)を組み合わせることで、再発率を下げられるという報告が蓄積されています。この視点が、一般的な皮膚科医と名医を分ける部分の一つです。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)デュピクセント 審査報告書(結節性痒疹への適応)
上記リンクでは、デュピルマブの結節性痒疹への適応に関する審査報告書を確認できます。処方前の情報整理・患者説明に役立ちます。
かかりつけ医・一般皮膚科が「いつ専門外来に紹介すべきか」の判断は難しいです。遅すぎると患者のQOLが長期にわたって低下し、早すぎると専門外来が混雑します。バランスが条件です。
一般的な紹介の目安として、以下の状況が該当します。
紹介状には、これまでの治療歴(薬剤名・使用期間・効果)を明記することが最重要です。専門医が最初から治療プランを立て直せるかどうかは、紹介状の質に大きく左右されます。
また、患者側への説明も丁寧に行う必要があります。「専門外来に送られた=見放された」と感じる患者は一定数います。「より専門的な治療を受けるためのステップ」として前向きに説明することで、受診率・アドヒアランスが向上します。いいことですね。
地域の皮膚科専門医との連携パスを事前に作っておくと、紹介のたびに調整する手間が省けます。東京医科大学病院などが公開している「アトピー・難治性皮膚疾患連携パス」が参考になります。
痒疹治療において、身体的アプローチだけでは限界があります。これが名医と一般医の最大の差かもしれません。
慢性痒疹患者の約65%に、不安障害やうつ症状を合併しているというデータがあります(Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology, 2020年報告)。かゆみ→掻破→悪化→絶望という心理的悪循環が、薬の効果を打ち消してしまうケースが多いのです。つまり心理介入なしでは治療が完結しないということです。
心理的アプローチとして有効とされているのは以下の通りです。
患者教育のポイントは、「正しい情報を一度に詰め込まない」ことです。初診時に全情報を提供しようとすると、患者は混乱して帰宅後に不安が増します。1回の診察で伝えるポイントは1〜2個に絞るのが基本です。
皮膚科医だけで心理的支援まで完結させようとするのは現実的ではありません。精神科・心療内科・臨床心理士との多職種連携体制を整えている施設が、難治性痒疹における「名医」の条件として近年注目されています。
JEADV 2020年論文:慢性痒疹と精神的合併症に関するエビデンス(英語)
上記論文は、痒疹と精神疾患の合併率・介入効果を扱った信頼性の高い資料です。多職種連携の必要性を患者・他科医師に説明する際の根拠として活用できます。
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