水虫に塗ると、症状がかえって急激に悪化することがあります。
テラ・コートリル軟膏は、一般名「オキシテトラサイクリン塩酸塩・ヒドロコルチゾン軟膏」として知られる配合外用剤です。1本の軟膏に2種類の薬効成分が入っているという点が、この薬の最大の特徴です。
第1の成分はヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)で、ステロイド外用薬の5段階クラス分けのなかで最も作用が穏やかな「ウィーク(Weak)」クラスに属します。抗炎症作用と抗アレルギー作用により、患部の発赤・腫脹・熱感・瘙痒感を抑制します。作用が穏やかなため、顔面や乳幼児への使用も場合によっては選択肢に入ります。
第2の成分はオキシテトラサイクリン塩酸塩(テトラサイクリン系抗生物質)です。グラム陽性菌・グラム陰性菌だけでなく、スピロヘータ・リケッチア・クラミジアにまで広い抗菌スペクトルを持ちます。その作用機序は細菌の蛋白合成阻害であり、静菌的に働きます。
つまり、炎症を抑制しながら細菌増殖を同時に抑えるということです。これが「単純なステロイド外用薬」や「単純な抗生物質外用薬」では対応しきれない、「感染を伴う皮膚炎症」に本薬が選ばれる理由です。
薬価は1gあたり27.20円、規格は5g/本(136円)と25g/本(680円)の2種類があります。ジェネリック医薬品は2026年3月現在も存在しません。3割負担の患者が5gを処方された場合の薬剤費は約41円となります。これが条件です。
テラ・コートリル軟膏の効能・効果・用法・用量・副作用(ケアネット)
添付文書に記載されている効能・効果は、大きく4つのカテゴリに整理できます。
| カテゴリ | 代表的な疾患・状態 |
|---|---|
| 深在性皮膚感染症 | 慢性膿皮症、おでき(毛囊炎・癤)など |
| 二次感染を伴う湿疹・皮膚炎群 | 湿潤・びらん・結痂を伴う状態、進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎 |
| 外傷・熱傷・手術創の二次感染 | 切傷・擦過傷のジュクジュク化、軽度熱傷の感染予防 |
| 口腔内疾患 | 歯周組織炎、感染性口内炎、舌炎 |
口腔内疾患への適応があることは、他のステロイド・抗生物質配合外用薬と比較した際の特徴のひとつです。意外ですね。歯周組織炎や感染性口内炎に対しては、毎日または1日おきに少量を患部に注入または塗擦します。
皮膚への用法は通常1日1〜数回の塗布・塗擦、またはガーゼ等への展延貼付です。症状により適宜増減しますが、目的は「必要最小限の投与期間にとどめること」であり、添付文書の重要な基本的注意にも明記されています。
また、テトラサイクリン系抗生物質は光感受性を高める側面があることが知られています。使用中は患部への直射日光への暴露をできるだけ控えることが望ましいといえます。これは使用部位が顔面の場合に特に意識してほしいポイントです。
医療用医薬品テラ・コートリルの添付文書情報(KEGG MEDICUS)
テラコートリルの禁忌は添付文書に4つ明示されていますが、実臨床上は6つの状態を慎重に確認する必要があります。禁忌に注意すれば大丈夫です。
臨床現場で見落としやすいのは、「かゆみ・ジュクジュクしているから」という理由だけで処方・使用してしまうケースです。たとえばTinea pedisの水疱型やびらん型は、視診だけでは感染性湿疹と見分けがつきにくい場合があります。疑わしい症例では皮膚真菌検査(KOH直接鏡検)を優先するのが原則です。
この鑑別を見落とすと、ステロイド成分が白癬菌の増殖を促進し、「ステロイドによる白癬の増悪(Tinea incognita)」という難治性の状態を招くことがあります。これは患者にとって大きなデメリットです。
テラ・コートリル軟膏の禁忌・使用上の注意(今日の臨床サポート)
副作用は添付文書上すべて「頻度不明」と記載されており、頻度データがない点が一つの特徴です。ただし、ステロイドと抗生物質の両成分に由来する複数のリスクが整理されています。
ステロイド由来の副作用として注意すべきは以下の通りです。
抗生物質由来の副作用として、最も臨床的に重要なのは耐性菌の発現です。添付文書の「重要な基本的注意」にも「原則として感受性を確認し、治療上必要な最小限の期間にとどめること」と明記されています。漫然と使用すると、耐性菌が生じてその後の治療選択肢を狭めてしまうという点で、医療従事者として特に意識したいリスクです。
過敏症(皮膚刺激感・発疹・接触皮膚炎)が出現した際は速やかに中止し、原因を確認してください。これが基本です。
副作用のサイン(ざ瘡様皮疹の多発、患部の急な悪化、色素変化など)を早期に察知するための定期的な観察が、安全な使用において欠かせません。
テラコートリルの副作用・漫然使用リスクの詳細解説(巣鴨千石皮ふ科)
テラコートリルが真に効果を発揮するのは「細菌感染を伴う皮膚炎症」という、比較的限られた状況です。単純な炎症だけ、あるいは感染症だけという状況には、より適切な薬剤が存在します。これが条件です。
医療従事者として整理しておきたいのは、「ステロイド外用薬と抗生物質外用薬を別々に使う場合との違い」です。たとえばリンデロンVG(ベタメタゾン吉草酸エステル+ゲンタマイシン硫酸塩)やベトネベートN(ベタメタゾン吉草酸エステル+フラジオマイシン硫酸塩)は、よりステロイド作用が強い「ストロング」クラスの配合外用薬です。テラコートリルはステロイドとしては最も弱い「ウィーク」クラスであるため、顔面・陰部・乳幼児など皮膚が薄い部位への使用や、軽症例での使用に比較的適しています。
見落としやすいポイントとして、口腔内適応を持つ唯一の市販類似薬でもあるという点があります。感染性口内炎や歯周組織炎へ外用剤を選択する場面では、テラコートリルが選択肢として挙がります。これは使えそうです。
処方・患者指導の際に確認すべきポイントを整理すると以下の通りです。
また、患者説明で特に重要なのは、「薬の色」についての事前告知です。テラコートリル軟膏は黄色をした軟膏であり、衣服や寝具に付着すると着色の原因となります。これを事前に伝えておくだけで、患者からの不安や問い合わせを大幅に減らすことができます。小さなことですが、実臨床では重要な情報共有です。
市販のOTC版「テラ・コートリル軟膏a」と医療用処方薬の成分・含量は同一ですが、効能・効果の記載範囲が異なります。OTC版は「化膿を伴う湿疹・皮膚炎」を中心とした限定的な効能に限られており、口腔内適応はありません。患者が自己判断でOTC版を使用している場合、医療用の適応範囲との混同に注意が必要です。自己判断での5〜6日以上の継続使用は推奨されておらず、改善しない場合の早期受診を指導する必要があります。
テラ・コートリル軟膏の作用機序・抗菌作用・抗炎症作用の詳細(JAPIC PDF添付文書)
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